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石版の魔女  作者: チカ.G
本編
11/72

美月ができる事 ー 1. 

 昨日はアップしてなくてすみません。

 予約していると思っていたんですが・・・申し訳ないです。

 なので12時間遅れの朝6時に予約しました。もちろん今夜も6時に予約しておきますっ!

 朝6時に起きてまずは柔軟体操、それから2キロほど走る。

 それから簡単にシャワーを浴びて、7時半に朝ご飯。

 朝食を済ませて少しだけのんびりして、8時半から11時半まで途中1回30分ほどの休憩以外は全て勉強。12時にお昼ご飯を食べて、1時から5時半まで途中1回30分の休憩以外は勉強。6時に晩ご飯を食べて、あとは自由時間。 

 それがこの3ヶ月の間の美月の生活だった。

 確かに最低限のグランカスターの知識はあった。

 けれどそれは所詮歴史の勉強で得るような知識であって、日常生活で使えるようなものではなかった。

 だからそれを指摘したバトラアシアは、日常生活を送るにあたって必要な知識を自ら毎日美月に教えた。

 美月としては領主自らが教える必要はない、それより領地の仕事をしてください、と何度も頼んだのだが、楽しそうなバトラシアは自分が美月に教鞭をとる事を止めなかった。

 そして、朝の柔軟体操とランニングはドナヴァンが付き合ってくれた。これも騎士としての仕事があるから1人で大丈夫だというのに、どうせ自分も走るからと言って毎朝部屋にやって来た。

 そんな2人のおかげで、今の美月はこの領地でなら問題なく暮らしていけるだけの知識と体力を手に入れた。

 




 「さぁ、いよいよ明日から実地訓練だな」

 「・・・ホントに、するの?」

 「当たり前だろう? そのために毎朝走って体力をつけたんだ。とはいえ、その程度の体力じゃ到底足りないのは判っていると思う」

 「・・・まぁね」

 「タイミングよくミッキーの勉強の方は一段落着いたとバトラシア様から聞いているから、明日からは午前中は体力作り、午後から実地訓練だ」

 「えぇぇ〜〜〜」

 美月はがっくりと膝を落とし両手を地面に着ける。

 まだ呼吸は戻っていないから、地面に手を付けたまま肩で息をする。

 ついさきほどまで美月はドナヴァンと手合わせをしていたのだ。

 この2ヶ月ほどは夕食のあと、美月の提案でドナヴァンは基礎体力作りと護身術、それに剣の手ほどきをしていた。

 その理由はドナヴァンが美月の護衛として常に一緒にいたからだ。

 異界からの客人、というそれだけで人目を集めてしまうだろう美月の安全のために、バトラシアが護衛をつける事に決めたのは彼女がここに来てから3日後の事だった。

 美月としてはそれほど大げさにする必要はないのではないか、というところだが、既に彼女がリンドングラン領に現れたという情報を手に入れてバトラシアに面会を申し入れている人が数人いると言う。

 今は美月が落ち着くまでは誰とも面会を受け付けない、と撥ね付けているが無理矢理美月を手に入れようとする人間がいないとは限らないのだ、とバトラシアが珍しく顔を顰めて言ったのだ。

 そう言われてしまうとかたくなに護衛を断る訳にもいかず、美月は渋々ながら護衛を受け入れたのだ。

 しかし、少しでも護衛の数を減らすために、美月はドナヴァンに頼んで剣術と護身術を習う事にした。

 もちろん、それだけではないのだが・・・・本当の目的はもっと別のところにあるが、今のところ美月はドナヴァンにしか打ち明けていない。

 「シゴキだ・・・・」

 「シゴキじゃない。生き残るために頑張ってもらっているだけだ」

 「・・・か弱い女の子なのに」

 「だからこそ頑張って力をつけてくれ」

 美月が泣き言を言っても、ドナヴァンは飄々《ひょうひょう》と受け流すだけだ。

 「週末に町に行きたいんだろう? だったら、それまでに頑張って多少は自分で面倒をみれるってバトラシア様にアピールすれば、護衛は俺だけで済むかもしれないぞ?」

 「・・・・頑張る」

 少しだけ気分が上昇した美月が顔を上げると、ドナヴァンはそんな彼女の頭をポンポンと叩く。

 「お金の価値は習ったんだったよな?」

 「うん、バトラシアさんとフランさんの二人掛かりで教えてくれたから、多分大丈夫だと思う」

 「多分ってなんだ、頼りないな」

 「だって計算とか、紙の上ではしたけど、実際に使った事なんてないもの」

 「まぁ、そりゃそうか」

 グランカスターは美月が今までいた世界とは全く違うから、貨幣価値ももちろん違う。とはいえ、美月としては海外に行くためにその国のお金事情を習ったような感覚だ。

 ありがたい事にこの世界の貨幣は数えやすくできている。

 まず銅貨10枚で大銅貨になる。その大銅貨が10枚で銀貨になり、銀貨10枚で大銀貨。大銀貨10枚で金貨になり、金貨10枚で大金貨。大金貨10枚で白金貨となり、お金的にはそれが一番大きなものになる。

 そしてその価値を円に換算すると大体こんな感じになる。銅貨が10円、大銅貨が百円、銀貨が千円、大銀貨が1万円、金貨が10万円、大金貨が100万円、そして白金貨が1千万円だ。

 1千万円の硬貨なんてまるで冗談としか思えないが、それでもそれはそう言うものとして美月は受け入れるしかない。

 「初めてのおつかい、失敗するなよ」

 「大丈夫! ・・・だと思う」

 町には数回連れて行って貰った事がある。もちろんその時はバトラシアが美月と一緒で、当然領主様という事で複数の護衛に囲まれる形で市を覗いて歩いた。

 バトラシアと一緒というだけで人目を集める上に、その彼女が連れている見知らぬ女性という事もあり、美月の注目度はバトラシアより高かった気がするほどだ。

 おかげでのんびりと店を冷やかすという事などできる筈もなく、美月はバトラシアのあとをついて歩くだけでゆっくり商品を見て回る事ができなかった。

 しかしこの週末、美月はバトラシア抜きで1人で市に行く事ができるのだ。

 もちろん護衛もいるが、彼らは美月から少し距離を置いて護衛する事になっている。

 これはバトラシアが美月に出した課題だ。

 つまり、1人で暮らしていくためのテスト。

 いずれ領主の館から出て自分の力で生きていきたい、そう美月が願っている事をバトラシアは知っている。だから彼女は美月にこの世界の歴史の勉強より日常生活で必要な知識を優先して教えてきたのだ。

 バトラシアと美月は、6ヶ月という期間を設けた。その間に美月は1人で生活する術と知識を得なければいけない。

 とはいえ、この世界の人間に混じって生活する事はできても、そのための糧を得るだけの能力が美月にはない。特にこれと言った特技のない美月は、何をしてお金を稼ぐかを今一生懸命考えているところだ。

 「あんまり自信がなさそうだな。本当に大丈夫なのか?」

 「・・・うん、多分。言葉は不自由しないから、なんとか意思疎通はできるからね」

 「町を歩いている間にどんな仕事があるかも見て回るんだろう?」

 「そのつもり。だって、もう3ヶ月たったんだよ? あと3ヶ月でなんとか自分に出来る事を探さなくちゃいけないと思うと、結構プレッシャーかな?」

 6ヶ月のうちの3ヶ月を勉強に費やしてしまったのだ。残りの3ヶ月でなんとかものになる職を見つけなくてはいけないと美月は思っている。

 「バトラシア様は6ヶ月で出て行けとは言ってないだろう? いつまでもいていいと言ってる。それに期限を付けたのはおまえだろう?」

 「・・・そうだけど・・・でもさ、いつまでも居候って良くないと思うんだよね」

 「だが何もできないくせにここを出て行っても、迷惑を掛けるだけだぞ?」

 「うぅっ・・・判ってるってば」

 「まぁ、町に行くときは気をつけろよ。まずはそこからだ。ミッキーの容姿は目立つからな」

 「・・・・はい」

 美月が立ち上がるのを助けるために手を伸ばしてくれたドナヴァンの手を掴んで、よっこいしょとかけ声を掛けて立ち上がる。

 その拍子にこの3ヶ月で伸びた藍と金の混じった髪が顔にかかった。

 それを指先で顔から除けて耳に掛けようとして、つい指先にある髪をマジマジと見る。

 「なんか、まだ慣れないなぁ・・・」

 変な色の髪、だと思う。日本に住んでいた頃美月の髪は少し茶色がかった黒髪で、瞳も濃い茶色で、どう見ても普通の日本人だった。

 なのに今では、「あんた誰だよ」って突っ込みたい容姿になってしまっている。

 この世界に来た当日は、色々あってそれどころではなかった。森から草原に行き、そこでドナヴァンたちと合流してここにきた。

 風呂に入れてもらって服を着て鏡を見て、随分驚いたのだ。

 鏡の中にいる自分は、美月が知っている自分とは全く違う別人だった。

 8割がた藍色の中に金がメッシュのように混じっている髪。そして真っ青な空の色の瞳。少し色白の肌を持つ鏡の中の少女は美人だった。

 普通の容姿の女子大生だった以前の自分と比べると雲泥の差だ。

 一瞬鏡の中に知らない人がいるのか、と周囲を見回したほどだ。

 「どうした?」

 「へっ? なんでもな〜い」

 髪をじっと見つめて動かない美月を不審に思ったドナヴァンが声を掛けてくる。

 慌てて髪を耳に掛けてから、ヘラッと笑ってみせるが、それでごまかされるドナヴァンではない事は美月もこの3ヶ月の間に理解している。

 仕方ないな、と小さく溜め息を吐いてから美月はドナヴァンを見上げた。

 「まだ自分の姿に慣れないなって思っただけ」 

 「・・・そうか」

 「自分が自分じゃないみたい。変な感じ」

 「まぁ、そのうち慣れるだろうさ」

 「・・・・うん」

 ぽんぽんと美月の頭を叩くドナヴァンに小さく頷く。

 「ほら、汗を流してとっとと寝るんだ。明日からきついぞ」

 「えぇぇ〜・・・はぁい」

 ドナヴァンに背中を押されるまま、美月は館に向かって彼と並んで歩いていった。



 あのですね、話の流れが変だ、とご指摘を受けまして・・・私も段々そんな気がしてきたので、一番最初の話を削っちゃいました。

 確かにあそこから話を始めてしまうと読む必要がなくなるかな、と思ったので・・・

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