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プロローグ
木漏れ日の差す森の中にその少女はいた。
銀色の髪に薄く桃色がかった瞳をした少女。
その森には彼女以外に人はいない。
人は少女を恐れているからだ。
――少女は、死ぬことがない。
それが人々には恐ろしかった。
――自分たち“人”とは違う――
そして人々は、少女を“鬼”と呼んだ。
月日が経つにつれて少女の存在自体は忘れ去られていき、やがて噂のみが一人歩きするようになった。
――『あの森の中には恐ろしい鬼が住んでるらしい』――
――『感情がなくて、見つけた生き物はみんな殺しちゃうんだって』――
そうして、少女は孤独になった――……




