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第二十二話

 宣言通り、続きを投稿致します。今回も三本です。

 もしよろしければ、感想・評価を下さい。お願い致します。


 “紅玉こうぎょくの台座”、そのふもと近くで、教団の僧兵たちが密かに動いていた。

「良し。予定通り、二名はここの封鎖を頼む。残りの者は教会と、その付近をくまなく調べよ」

 ゼピュロスが号令をかける。

 部下たちは一斉に礼の姿勢を取り、順次、自分の役割に走っていった。

 その中で、

「ゼピュロス様は、いかがなさるのです?」

 秘書が、尋ねてきた。

 ゼピュロスの部下の中でも、一番の忠臣。おそらくは、この身を案じているのだろう。

 正直に言えば、護衛についてくるに違いない。

「うむ、少し気になることがあってな。何、大したことではない。気が済んだら、わしもすぐに合流する。それまで、部隊の指揮を頼むぞ」

 その言葉に、秘書はわずか不満そうな顔を見せるも、

「わかりました。先に行って、お待ちしております」

 そう言って、他の者達と同様、自分の役割に走っていった。


――ふむ…… 勘付かれてしまったかの

 苦笑い。

 だが、結局は命令を聞いてくれた。

 そのような者だからこそ、守らねばなるまい。

 身を案じているのは、こちらも同じなのだから。

 ゼピュロスは林の方を眺めた。

――何なのじゃ、この違和感は……

 巨大な火柱が見えて以降、林は静寂そのものである。

 もし何らかの争いが起こっているのなら、もう少し予兆があってもいいはず。

 だが、それがない。

――それにこの、視界に陽炎かげろうがかかったような感覚は……?

 それは、余程意識を集中しなければ見逃してしまいそうなくらいの、まどろみ。

 現に、部下たちの誰もが、このことに気付いていなかった。

――向こう側の気配が感じ取れぬ…… 結界、か?

 夜霧よぎりが、もやもやと蠢く。

 まるで、異世界にでも通じているかのようだ。

 この先、何が起こるかわからない。何があるかわからない。

 そんな場所に、大事な部下を連れて行くわけにはいかない。

 故に、

――行くか……


 ゼピュロスは、一人、闘いの場へと踏み込んだ。





『ありがとう』

 そう呟いて、赤い光の中で老人は息を引き取った。

 それを見送る、ナタス。

 死者に礼を言われる、そんな奇異な事態に、やれやれ、と溜め息を吐いた。

 ぼうと消えゆく、赤い光。

 コトン、と何かが地面に落ちる。

「これは…… 魔法石?」

 地面には、透明なビー玉のようになった魔法石。

 魔法石は、魔力をめると赤く発光するが、それが尽きると光を失い、透き通るという性質を持っていた。

「何故、こんなものが?」

 思考を巡らせる。

 と、その答えには、簡単に思い当たった。

「そうか、魔法生物を動かしていたのは、魔法石コイツだったんだな……」

 ナタスは一人呟く。

「脳に直接、魔法石を埋め込むことで、外部から操作されることもなく動いていた、というわけか」

 考えたものだ。

 これならば、ただの操り人形には留まるまい。

 脳に作用すれば、生前のような動きもするかもしれない。

 そう考えれば、あの老人が、かようなまでに精密な動きを見せたことも納得できる。

「オオカミたちが光っていたのも、そのためか……!? いや、待て……」

 ふと、思い出す。

 “赤い光”――“魔法石”。

 確か――。

「……」

 ナタスは向こう、アリアムたちが闘っているだろう方角を見た。

「急いだ方が良さそうだな……」

 苦戦、しているのだろう。

 そうでなくては、これを聞くことはないのだから。


 向こうから、“あの歌”が、流れてくる。


 いかがでしたでしょうか?

 第二章最大の盛り上がり、その一歩手前って感じなのですが……

 だいぶ伏線を回収し始めていますが…… やっぱり下手ですね、僕は。伏線を敷くのも、回収するのも……

 未熟なのは常々痛感してますが、ここまで才能がないのかと思うと……

 やれやれ、ですね……

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