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ジョゼと虎と魚たち(3)原作との違い
原作は田辺聖子の短編小説で、原作には無い場面が多く、
違った結末となっています。
学生生活もクラスメートも原作では登場しない。
脚本家渡辺あやさんの、本作での作風は片岡義男風。
フェリーニの「道」を思わせる。
そしてサガン的(淡々とえがく) 。
監督が言う。
セリフで原作からもってきたのはひとつだけ
<あんたと Hするの好きや> だそうだが、
映画ではカットされていてしまい、
原作からのセリフひとつもなしと言っているが、
「してもええよ」の部分は原作通りだと思う。
フランソワーズ・サガンの小説「一年ののち」からの引用は
映画にはあるが、原作ではなかったと記憶する。
映画で引用された一節
フランソワーズ・サガンの小説「一年ののち」より
「いつかあなたは
あの男を愛さなくなるだろう」
とベルナールは静かに言った。
「そして、いつしか
僕もまたあなたを愛さなくなるだろう。
我々はまたもや孤独になる、
それでも同じことなのだ。
そこに、
また流れ去った一年の月日が
あることだけなのだ...」