ドナ・サマーが日本に与えた影響
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ドナ・サマーが日本に与えた影響は、
音の変化として最初に現れた。I Feel Love が流れ始めた頃、
日本のディスコはまだソウルやファンクの生音が中心で、
身体のどこにリズムを置けばいいのか分かる音だった。
けれど、電子のループが青山や六本木の夜に入り込んだ瞬間、
客は少し戸惑いながらも、いままでと違う未来の気配を受け取った。
その戸惑いの奥にあったものが、日本のディスコを変えていった。
踊りにくいのに、身体の内側に響く。
誰も言葉にはしなかったが、フロアの温度がゆっくりと変わっていくのを、客は確かに感じていた。
ドナ・サマーの声は、日本の都市の夜を塗り替えた。
六本木の夜も、青山の夜も、赤坂の夜も、彼女の曲が流れると空気が変わった。
Hot Stuff、Bad Girls、Last Dance。どの曲も、都市の夜をひとつの色に染めていった。
日本のDJたちは、彼女の曲をどう回すかで腕を試された。
つなぎ方、イントロの扱い、フロアの温度の上げ方。
ドナ・サマーは、日本のDJ文化の教科書のような存在だった。
日本の女性ボーカルの歌い方も変わった。
こぶしを使わず、直線的で強い声で、高音を抜かずに押し出す。
ドナ・サマーの歌い方が、日本のディスコ歌唱の原型になった。
彼女の曲が流れると、都市の夜がディスコの夜に変わった。
音が変わり、身体が変わり、街の空気が変わった。
日本のディスコは、ドナ・サマー以前と以後で分かれる。
彼女の声が、日本の夜を未来へ押し出していった。




