フランス映画を話そうよ(3)フランス男の恋愛至上主義
フランス人は 愛のために死ねる。
映画「紳士は金髪がお好き(1953)」で、
マリリンモンローが歌っています。
これは映画でもありますね。
まずは「望郷(1937)」です。
公開当時、日本人に圧倒的人気のあったフランス映画のひとつでしょう。
アルジェのカスバ、ペペ・ル・モコ、ジャン・ギャバン。
この映画で、恋する女性ガビイとのすれ違いの悲恋に、
ジャン・ギャバンは自ら命を絶ちます。
望郷
それはもうパリに戻れない望郷でもあります。
北ホテル(1938) では
恋に破れた男が死を決意。
自分を殺そうとする男にピストルを渡す。
フランス男の恋愛至上主義、失恋は死に値する。
既述のフランソワトリュフォーの
「暗くなるまでこの恋を(1969)」
高校の頃 こんなに女性に惚れてみたいと感動し、
トリュフォー監督を好きになった作品でもあります。
毒を持ったコーヒーを飲まされるシーンは一生のものになりました。
「ぼくは 君のために 死んでもいいよ」と飲もうとする。
ベルモンドーはドヌーブが毒をもったことに気づいている。
ドヌーブは「やめて」とコーヒーの入ったカップを床に落とす。
「愛とは苦しいもの 大きな猛禽のように僕らの頭上を舞い、
ぴたりと止まり、僕らを脅かす。
でもその脅威は幸福の約束でもあるのかもしれない。
君は美しいよ。
君は美しすぎて、君を見るのは苦しみだ」
「昨日は喜びだと言ったわ」
「喜びでもあり苦しみだ」
美しすぎる女性との、恋はつらいです。
次はフランス男優ナンバーワンだったトランティニャン。
彼の代表作
離愁(1973)
男は愛のために死んでもいいと覚悟する。
戦争に翻弄されて、つかの間に出会った二人。
再び戦争で別れて3年後
ロミー・シュナイダーとトランティニャンは再会する。
ゲシュタポは、このユダヤ女と知り合いかと尋ねる。
しばらくは無視していたが、我慢できずに、
トランティニャンはシュナイダーを抱きしめてしまう。
それは死を意味する。
死ぬ男と言えば
鬼火(1977)があります。
「リービングラスベガス」という映画に似ていますが、
「鬼火」は死にたいと思った男の生き様をえがく
「愛されたかった。みんなに、全ての人に愛されたかった」
初めて観たのは18歳の頃
観ているうちに、自分と似たような男がいると思って
我がことのように魅入ってしまった映画です。
最後に本ですが
サリンジャー「バナナフィッシュにうってつけの日」
「バナナフィッシュは、そのままバナナを食べ過ぎて
太ってしまうので二度と穴の外へは出られなくなり、
バナナ熱にかかって、死んでしまう」と言って、自殺する。
男の、愛に破れた生き様は映画になるようです。