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華麗なるギャツビー(4)本作は村上春樹氏のベスト小説
村上春樹氏は言う
もし「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげろ」と言われたら、
考えるまでもなく答えは決まっている。
この『グレート・ギャツビー』と、
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と、
レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』である。
どれも僕の人生(読書家としての人生、作家としての人生)にとっては不可欠な小説だが、
どうしても一冊だけにしろと言われたら、
僕はやはり迷うことなく『グレート・ギャツビー』を選ぶ。
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「華麗なるギャツビー」
なぜこんな邦題なんですかね。
原題は「The Great Gatsby」
このグレートをなんと訳すか
僕は思う、華麗じゃない、そして偉大でもない。
スゴイ、崇高、けだかいに近い うまい日本語がない。
それで村上春樹氏の新翻訳本では
「グレート・ギャツビー」という邦題にしている。
(村上サガン)