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ティファニーで朝食を食べないで(5)ホリーは娼婦じゃない
映画でオードリーが演じるホリー・ゴライトリーは
作者の描いたホリーとは全くかけ離れており、
原作イメージを壊されたカポーティーは、かなり怒り、
いつか自分自身でリメイクしたいと語っていた。
実は、マリリンモンローはこの役を辞退していた。
マリリンの中にある娼婦のイメージを払拭したかったらしい。
どうして主人公は娼婦と誤解されたのだろうか?
19歳のホリーは娼婦じゃない、恋に自由奔放な女性。
小説の中から引用すると
「このあいだの晩に勘定してみたんだけど、
恋人にした男は全部で11人しかいなかったわ。
なのにどうして、商売女みたいな言い方を されなくちゃならないわけ?」
* *
小説を書いた当初、カポーティーはモンローを意識していましたが
晩年ジョディ・フォスターに会い、
「彼女こそホリーだ!」と感じたと、インタビューで答えています。