めぐり逢い(6)~月夜のガブリエラ
人生で、良いことも悪いことも重なることがあります。
恋愛でも、恋人ができると、重なるように、
気になる相手が登場してくることがあります。
そして選択に悩んでしまう。
相手は順番に、自分の都合のよいタイミングでは現われない。
「めぐり逢い」は、そんな映画かもしれません。
マルセイユからニューヨーク行きの豪華客船です。
金持ちの女から女へ渡り歩くことで、
社交界のゴジップネタになっている
プレーボーイのニッキー(ケーリー・グラント)と
大富豪の婚約者がいるクラブ歌手テリー(デボラ・カー)。
悪く言えば、男女共に、恋愛では、遊び人。
本当の恋愛というか、心底相手を愛したことのない男女がめぐり遭ってしまいます。
二人の出会いはこうです。
ケーリーは、失くしたシガレットケースを探している。
そこへ、自分のシガレットケースを持って通り過ぎようとしているデボラを発見する。
ケーリー「失礼、それ、僕のタバコ入れだけど」
デボラが振り向いて、シガレットケースをケーリーに見せながら
「実は私、宝石泥棒なの」
「信じないね。 それは僕のだよ」
「拾ったので届けに行こうとしているの」
と言い、シガレットケースを渡そうとするが、思い止まり、
「あなたの、だって証拠は?」
気まずそうな顔のケーリーが、
「中に僕への献辞が書いてある」 と言う。
シガレットケースを開けて、献辞を読む。
「ニコラへ」と、読んで、ケーリーの方を向き、
「あなたが あの有名な…
何度も拝見しているわ。ライフや新聞で」
「婦人の友 にも書かれている? じゃ、合格だね」
と、シガレットケースを受け取ろうとする。
「まだよ」 と、手でポーズをとる。
献辞の内容を読む。
「お熱い献辞のようね。
フランス語は不得意なの。
正確に、品よく、訳してくださる?」
つまり、祝辞内容を言わせての、本人確認。
恥ずかしそうに、ケーリーは言う。
「意味はこうだ
ヨットでの夢の3夜に。 ガブリエラ」
熱い献辞に軽く口笛吹いて、「そう、判ったわ」と、
シガレットケースを渡す。
ケースを受け取った、ケーリーが言う。、
「氷の女王 って、君の主題歌かい?」
笑い出したデボラは、
「あなたの主題歌は 月夜のガブリエラ? 今に殺されるわよ」
ケーリーとデボラの演技あっての名シーンで、
他の役者で、うまく演じれるかどうかは疑問です。