人生に訪れる不幸は全部やってきた。 五転び六起きの女性
人生に訪れる不幸は全部やってきた。 五転び六起きの女性
映画『あなたのために』(2000)
銀幕ノート
私が最も惹かれるテーマである「すべてを失った女性の再生」が描かれており、名作『道』の精神的な続編ともいえる、まさに大好物の一本です。
作品の背景とあらすじ
原作はビリー・レッツのベストセラー小説『ビート・オブ・ハート』。物語は、17歳で未婚の母となる少女ノヴァリーが、人生に立ちはだかる過酷な試練を乗り越えていく姿を追います。
ノヴァリーを襲う不幸はあまりに容赦ありません。恋人に裏切られ、身重の体でウォルマートに置き去りにされる。閉店後のスーパーで孤独に出産し、一躍時の人となるも、現れた実母に義捐金を持ち逃げされる。救いの手を差し伸べてくれた恩人は竜巻で命を落とす。まさに人生の苦難をすべて凝縮したような展開です。しかし、底を打てばあとは上がるだけ。彼女はそこから自分自身の「家族」を築き始めていきます。
輝く二人の女性像
主役のナタリー・ポートマンは、ノヴァリーの揺れ動く感情を抑制の効いた演技で見事に体現しています。悲しみや喜びを大袈裟に表現せず、静かに内面から滲み出させる彼女の表情は、観る者の心に深く入り込みます。
そして、もう一人の重要な登場人物が、アシュレー・ジャド演じる看護師のレクシーです。彼女もまた、凄まじい「男運のなさ」を抱えています。5人の子供を育てながら、次々と男に逃げられ、さらには子供を狙った男との死闘まで経験する。それでも彼女は決して愚痴をこぼさず、前向きに、明るく生き抜きます。その「七転び八起き」の精神は、ノヴァリーにとって、そして観客にとっても大きな救いとなります。
「道」から「再生」へ
この映画がフェデリコ・フェリーニの『道』を彷彿とさせるのは、過酷な放浪と孤独の果てに、魂の居場所を見出すプロセスが共通しているからでしょう。しかし、今作はより現代的で希望に満ちています。
関連作品として挙げられた『フライド・グリーン・トマト』や『エリン・ブロコビッチ』、そして『嫌われ松子の一生』といったラインナップは、どれも「女性の底力」を感じさせる素晴らしいセレクションです。特に『カビリアの夜』のカビリアが絶望の淵で見せた最後の微笑みは、本作のノヴァリーが手に入れた強さとどこか響き合っているように感じます。
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関連のありそうな映画
道(1954)
カビリアの夜(1957)
結婚しない女(1977)
愛と喝采の日々(1977)
さよならミス・ワイコフ(1978)
フォエバー・フレンズ(1988)
フライド・グリーン・トマト(1991)
微笑みをもう一度(1998)
オールアバウトマイマザー(1998)
ギター弾きの恋(1999)
エリン・ブロコビッチ(2000)
トスカーナの休日(2003)
嫌われ松子の一生(2006)
ボルベール 帰郷(2006)
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