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日曜洋画劇場の幕開けと、ボギーの雨
第1回:日曜洋画劇場の幕開けと、ボギーの雨
恋愛が地獄に変わる。 そんな瞬間を描いた、あまりに切なく不可解な映画があります。
裸足の伯爵夫人(1954年)
古い映画ですが、今なお色あせない魅力があります。 実はこの作品、あの淀川長治さんがテレビ局に「騙された」といっても過言ではない、運命的な一作なのです。
テレビ朝日系の日曜洋画劇場、その記念すべき第1回放送作品が本作でした。 淀川さんは「これほどの名作をテレビでやるのなら、ぜひ解説させてほしい」と熱望。 そこから、あの伝説のテレビ解説者としての歩みが始まったといわれています。
物語は、ハンフリー・ボガード(ボギー)のトレンチコートが雨に濡れるシーンから幕を開けます。 映画「カサブランカ」の面影をどこか引きずった、渋く重厚な導入です。
これまで何度も観てきましたが、今こそ再放送されるべき名作だと感じます。 しかし、その美しさの裏側には、男女の価値観の決定的な断絶が潜んでいました。
(次回、物語の核心と、地獄への転落について触れます)
銀幕ノート




