糖質の過剰摂取
糖質のとり過ぎの話
健康寿命は、男性72歳、女性75歳と言われている。
多くの人が80歳を前に、寝たきりや要介護になる「80歳の壁」にぶつかる。
その壁を越えるには、ただ長生きするのではなく、心も体も元気でいることが大切。
最近よく耳にするのが、
「嫌なことを我慢せず、好きなことをして生きることが、80歳を越える秘訣」という考え方だ。
たしかに我慢ばかりでは、心が先に弱ってしまう。
しかし、一つだけ見落とされがちな落とし穴がある。
それが 糖質のとり過ぎ。
糖質は体のエネルギー源として必要なものだが、使いきれなかった分は脂肪に変わり、
血糖値を上げ、動脈硬化や認知症リスクにもつながると言われている。
「糖尿病=甘い物の食べすぎ」と思われがちだが、実は一番の原因は、
日常のちょっとした積み重ねにある。
では、どれくらいで“とり過ぎ”になるのか。
一般的な成人なら、1日の糖質250〜300gは普通の範囲だ。
しかし、350gを超える日が続くと、明らかに多いと考えていい。
問題は、気づかないうちにこのラインを超えてしまうことだ。
たとえば、
ご飯1杯…約55g
ショートケーキ1個…約35g
ポテトチップス1袋…30〜50g
これにパンや甘い飲み物が加われば、簡単に350gを超えていく。
朝にパン、昼に麺、夜にご飯。
そこへケーキとポテトチップスを足す。
「たいしたことない量」と思っても、数字にするとかなりの糖質になる。
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食事/食品名一般的な量(目安)糖質量の目安
朝:パン食パン6枚切り 1枚 (約60g)約25〜30g
昼:麺ゆでうどん or ラーメン 1玉 (約200g)約50〜65g
夜:ご飯白米 茶碗1杯 (約150g)約50〜55g
おやつ:ケーキショートケーキ 1個 (約120g)約25〜30g
おやつ:ポテトチップス1袋の半分 (約30g)約15〜20g
合計約165〜200g
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高齢者の場合は、糖質を減らしすぎてもよくない。
筋力や体力が落ちてしまうからだ。
大切なのは、**“極端に減らす”のではなく、“とり過ぎない”意識**である。
我慢し続けると、反動でどか食いにつながる。
だからおすすめは、ただ一つ。
好きなものは我慢せず、ただし“毎日ではなく、どれか一つだけ”。
ケーキを食べる日はスナック菓子をやめる。
甘い飲み物を飲んだ日はご飯を少し減らす。
無理なく、調整するだけでいい。
80歳の壁を越えるには、心の健康と体の健康のバランスが必要だ。
「好きなことをして生きる」ためにも、体を守る最低限の知恵は持っておきたい。
今日の一口を変えることが、未来の自分を守る。
我慢ではなく、ちょっとした工夫でいい。
そして80歳になったとき、「おいしい人生だった」と笑える自分でいたい。




