表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
464/478

「試写会の反響」ゴッドファーザー

「試写会の反響」ゴッドファーザー


1972年春。スタジオの試写室に、重役や批評家たちが集まっていた。スクリーンに『ゴッドファーザー』の文字が浮かび上がると、会場には一瞬の緊張が走った。


上映が始まると、観客は次第に口を閉ざした。銃声や取引の場面ではなく、家族が食卓を囲むシーンで、誰もが画面に引き込まれていった。ヴィトー・コルレオーネが孫にオレンジを差し出す仕草。マイケルが父の背負った影を、静かに自分の肩へと受け継いでいく姿。その細やかな表現が、観客の胸を締めつけていった。


やがてエンドロールが流れたとき、試写室は静まり返っていた。しばらく誰も立ち上がらなかった。映画が終わったことを信じられないかのように。


やっと一人の批評家が口を開いた。

「これは……ただのギャング映画じゃない。まるでギリシャ悲劇のようだ」


次いで、経営陣の一人が呟いた。

「神に選ばれた家族の物語だ。観客はこれを忘れられないだろう」


拍手が湧き上がるまで、時間はかからなかった。重苦しい沈黙は、やがて熱を帯びた称賛に変わった。


その光景を見ながら、エヴァンスは深く息を吐いた。彼が賭けてきた信念は、いま確信へと変わった。


「ほら見ろ。人は家族を見に来るんだ」


彼は小さく呟いた。スクリーンの余韻に浸る人々の顔を見ながら、すでに思っていた。――この映画はただのヒットでは終わらない。アメリカの文化を塗り替える一撃になる、と。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ