二人の1968年〜あるプロデューサー
アリ・マッグローの自伝『Moving Pictures』や、ロバート・エヴァンスの自伝『The Kid Stays in the Picture』から
1968年は、お互いの世界や価値観が完全に重ならず、距離があった時期でした。
1968年初夏のパーティーでのすれ違い
ロバート・エヴァンスは当時パラマウントのプロデューサーとして成功を収めつつあり、映画の新企画についてアリに話しかけました。しかし、アリはその話に興味を持たず、別の男性との会話に夢中になっていたため、エヴァンスは孤立感を抱きました。この時、エヴァンスは「自分の話は彼女には届かない」と強く実感しています。
仕事優先の生活リズムの違い
エヴァンスは撮影や製作に忙殺され、頻繁にニューヨークとロサンゼルスを行き来していました。一方アリはニューヨークでのモデルや撮影の仕事、社交生活を楽しんでいたため、二人の時間は非常に限られていました。この距離感が、心の距離にもつながりました。
価値観の違いの認識
エヴァンスは映画界での力と成功を重視し、自分の影響力をアリに示そうとしていましたが、アリはまだ自分の人生やキャリアを模索中で、自由で多様な人間関係を築くことを望んでいました。エヴァンスは「彼女の興味は僕の世界とは別の場所にあった」と述懐しています。
コミュニケーションのズレ
エヴァンスは「話をしても彼女の反応は薄かった」と感じており、アリも「彼の話は重苦しく、まだ自分には早すぎる世界だった」と後に語っています。この相互の理解不足が一時期のすれ違いを生みました。