ロバート・エヴァンスの「ある愛の詩」
実は『ラブ・ストーリー(ある愛の詩)』の火種を最初にロバート・エヴァンスにもたらしたのは、アリ・マッグロー本人だった。
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アリ・マッグローが最初に“種”を持ち込んだ
エヴァンス自身の回顧録や関係者の証言によれば、ある日アリ・マッグローが「これ、読んでみて」と彼に差し出したのが、\*\*エリック・シーガルが書いた未発表の脚本メモ(あるいは短編小説案)\*\*でした。
アリの説明によると、シーガルは彼女の友人で、脚本家・小説家として活動しており、「**恋人同士が出会い、短い時間のうちに愛を深め、病によって別れる**」という、簡潔ながらも情感あふれるストーリーの構想を練っていた。
アリはそれを読んで強く心を打たれ、直感的に「これは映画になる」と思い、エヴァンスに紹介したのです。
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エヴァンスの決断
エヴァンスは初読では感触を掴めなかったものの、アリの熱意に押されてシーガルに会い、そこから\*\*「小説と脚本を同時に書いてもらう」\*\*という異例のプロジェクトが始動します。
この時、エヴァンスはシーガルにこう言ったと記しています。
> 「いいかい、まず小説を書け。ベストセラーになったら、映画は勝手についてくる」
この言葉通り、1970年2月に小説『Love Story』が発売され、爆発的に売れ、その勢いのまま映画の制作が急ピッチで進みました。