サンズリバーサイド外伝 記憶喪失して成仏できない
サキは、放課後の図書室で一冊の古びたアニメ雑誌を手に取った。ページをめくると、『黄昏乙女×アムネジア』というタイトルが目に留まる。紹介文には、「記憶を失った幽霊が、過去を探し成仏を目指す物語」と書かれており、サキの興味は一気に引き寄せられた。
その夜、サキはアニメを視聴し、幽霊の庚夕子と彼女の過去を探る新谷貞一の物語に心を奪われた。特に、夕子の記憶が「影夕子」として具現化し、彼女自身と向き合う描写に深い感銘を受けた。
「この物語には、何か元となる話があるのでは?」サキはそう考え、翌日から調査を始めた。図書館で怪談や都市伝説の書籍を読み漁り、インターネットで情報を探す日々が続いた。
ある日、サキは「学校の七不思議」について書かれた古い文献を見つけた。その中には、「旧校舎の鏡に映る幽霊」や「13段目の階段を踏むと異界に引き込まれる」といった話が記されていた。これらは、『黄昏乙女×アムネジア』に登場する怪異と酷似していた。
さらに調査を進めると、サキは「人柱伝説」に辿り着いた。疫病や災害を鎮めるために、生贄として人を柱に埋めるという風習が、かつて存在していたという。夕子の死の真相も、これに関連しているのではないかとサキは考えた。
サキは、この調査結果を今回の作品に織り込むことを決意した。