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プロデューサーになろう 

「作品よりも俳優が観たい? そんなの順番が逆じゃないか」


「いや、違う。俺はね、名役者あっての名作だと思ってる」


「でも、ストーリーがよければ誰が出ていても……」


「じゃあ聞くけど、『男はつらいよ』の寅さんを、渥美清じゃなくて他の誰かが演じて成立すると思うか?」


「……たしかに、それは難しいな」


「『太陽がいっぱい』だってそうだ。アラン・ドロンのリプリーは、美しさと狂気が同居していた。あれは彼だからこそ成り立った役だ。脚本だけじゃ、あの空気は生まれない」


「でも、それは特別な例じゃないの?」


「いや、むしろ逆だ。どんな名作でも、心を動かすのは結局“人”だよ。誰がその役に命を吹き込んだかで、作品の輪郭は決まる。カメラや照明がいくら完璧でも、真ん中が空っぽなら伝わらない」


「……」


「つまりこういうこと。物語は設計図にすぎない。完成するかどうかは、誰がその家を建てるかにかかってるんだ。いい大工がいてこそ、家は生きる。名優ってのは、それくらい作品にとって本質的な存在なんだよ」

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