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フェイドアウト断章  作者: 石藏拓(いしくらひらき)


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愛理物語「カサブランカで朝食を」 第2版

「カサブランカで朝食を」 第2版


「ティファニーで朝食を」のホリーと

「カサブランカ」のリックのモデルは日本人だった。


目次

栄次郎

リック

パリへ

リック・カフェ・アメリカン

世界に星の数ほど

ホリー

早川雪洲

銃声

手紙

侵攻

銀座

--------------------------

解説

『カサブランカ』の制作秘話


------------------------------------------------

栄次郎

リヒャルト・ニコラウス・エイジロ・クーデンホーフ=カレルギーと言う。

父はオーストリアの伯爵。

母は青山光子で、父が日本で大使をしていたとき、出会って二週間で同棲。兄と東京でうまれた。

僕はヨーロッパはひとつになるべきというヨーロッパ共同体を提唱した。

タイミングが悪くヒトラーを批判してしまった。

ヒトラーがあっという間にドイツの総統になってしまった。

ドイツがオーストリアを併合する直前の日に、ユダヤ組織「カイト」によって

開いていたパーティーを急きょ終りにして、

僕は妻のイダとともにスイス大使夫妻が貸してくれた

自動車に最小限の荷物を積み込み、

ナチスのデモ隊であふれる街から脱出した。

デモ隊に囲まれて危険な思いもしたけど、

自動車がスイスの外交官ナンバーであったので紙一重で危機を逃れ、

隣国のチェコスロバキアのブラティスラヴァに逃れた。

翌日、ハンガリーの首都ブダペストに向けて夜中だけを

選んで全速力で走った。

昼間は森の中に潜む毎日だった。

ユーゴスラヴィアからイタリアに入ると、

連絡を受けていた反ナチスのイタリアの将校が出迎え、

スイスまで護衛付きで送ってくれた。

ナチスの宣伝相ゲッペルスが僕を逮捕し公開裁判に付すと宣言した新聞記事が流れた。

僕は、スイスを本拠地にしながら欧州各地を奔走し、

反ヒトラー運動をすすめ、パリには滞在することが多くなった。


三浦利久リック

俺とサムはカリフォルニア生まれの日系人だ。

サムは寒川という名字で、父は黒人のピアニストだった。

俺らは大分県から移住した牧師の息子・衛藤健と家出した。

アメリカ西部は反日地域で、俺らはいじめられていた。

ニューヨークにいる叔父を訪ねてアメリカ大陸を横断した。

国吉叔父はニューヨーク大学で美術の教授をしていて、

国吉ハウスというアパートを経営していた。

部屋を借りていたのがホリーだった。

堀井ことホリーは日系人で、国吉の描く絵や写真のモデルをしていた。

ホリーは常に旅行中で、部屋にいることはなかった。


俺ら三名は叔父のアパートの一室を借りた。

そのうちニューヨークのリトルイタリー街の賭博場で働くことになり、リトルイタリー街に引っ越した。

衛藤健は牧師の息子だが、カードのジョーと言われた。カードさばきが鮮やかで、カードのすり替えは忍者のようだった。

衛藤ことジョーはニューイングランドのマフィア・レイモンド・パトリアルカの賭博パーティーで、ディーラーの依頼を受けた。

ジョーのカードさばきがあざやかで、マフィアのボスを魅了した。

日本人の得意な器用さを持っていたのだ。

すばやいごまかしができた。

ジョーはマフィアのボスになっていく。


俺ら日系人はニューヨークのイタリア人にも嫌われていた。とうとう事件が起こった。

ジョーを殺そうと、マフィアのコロシオーネ一家が殺し屋を放った。

俺はジョーを守るためにサムと、親分のコロシオーネを殺してしまった。

サムと俺はマフィアから追われることになった。

国吉叔父がホリーを連れてアフリカ撮影旅行に行くことになっていて、俺とサムは国吉に同行した。

国外逃亡したのだ。

国吉は早川雪洲に相談した。

アメリカから追われた早川雪洲はパリに住んでいた。

国吉は絵の師匠だった。

早川はバロン薩摩に相談して

最初は南フランスに店を作ってくれた。

ナチの迫害が始まり、難民の亡命を助ければユダヤ教会が身の保証をしてくれるというので、モロッコのカサブランカに拠点を移したのだ。

だから俺は酒場の店主以外にアメリカへのユダヤ難民の亡命を助けていた。ホリーも仲間だった。


パリへ

リックは、ユダヤ組織・カイトの命令で栄次郎の亡命のためにパリに向かった。彼の任務は極めて重要であり、一刻の猶予も許されなかった。


パリに到着したリックは、まず早川雪洲に会うことにした。彼はカイトの重要な情報源であり、栄次郎の行方について何か知っているはずだった。リックが指定されたカフェに入ると、奥の席に座っていた雪洲が手を振って彼を呼び寄せた。


「栄次郎はナチに捕まってしまったらしい。まだ定かじゃないが」雪洲は低い声で言った。


リックの心臓が一瞬止まりそうになった。だが、彼は感情を抑え、冷静にうなずいた。情報収集が急務だと悟ったリックは、カイトのメンバーが集まる別のカフェへと足を運んだ。


店の外にある空いている席に座ったリックは、隣に座っていた女性に目を留めた。彼女の顔には深い悲しみが刻まれていた。ふと見ると、彼女は新聞を握りしめており、その内容に呆然としている様子だった。新聞が突風にあおられて、リックのテーブルに落ちた。


リックは新聞を拾い上げ、優しく言った。「これはあんたのものじゃありませんか?」


女性は驚いたように顔を上げた。リックが英語で話しかけたため、彼がアメリカ人だと思ったのだろう。彼女はかすかにうなずき、新聞を受け取った。その仕草から、彼女が栄次郎の妻イダであることをリックは察した。


リックは勝手にイダのテーブルに座り、「こちらの方がずっと景色がいいですね」と言って、聞いたこともないくらいお粗末なフランス語で、コーヒーを二杯注文した。


その姿にイダは思わず笑ってしまった。「どっちのほうが面白いのかな。俺の訛りと顔と?」


リックも微笑んだ。「おそらく両方だろうね。でも、今日は少しでもあなたの心を軽くしたかったんだ。」


イダの笑顔は一瞬の慰めであり、リックは彼女に寄り添う決意を新たにした。彼らは互いの痛みを共有しながら、リックは任務を遂行するための情報を集め続けた。そして、二人は次第に信頼を築き、共に栄次郎の救出に向けた計画を練り始めたのだった。


リック・カフェ・アメリカン


リックはトレンチコートを着込み、閉店した酒場の椅子に腰を下ろした。店内は静まり返り、僅かに残る酒の香りが漂う。リックの目は、ドアの方をじっと見つめていた。サムが栄次郎を迎えに行ったのだ。リックは待っているのだが、いつでも外に出られるように準備は整っていた。


「俺は、サムとニューヨークから逃げてきた」とリックはつぶやいた。「今はモロッコのカサブランカで酒場をやっている。名前は『リックカフェ・アメリカン』。店に名前はなかったが、周囲が勝手にそう呼び始めたんだ。俺の名前を使ってな。」


リックは過去を思い返した。彼は日系人であったが、外見からは日本人だと見られることは少なかった。カサブランカに店を構えたのは、バロン薩摩のポケットマネーのおかげだった。バロンはパリに住む日本人で、祖父の莫大な蓄財を湯水のように使っていた。モロッコにも別荘を持っていたのだ。彼の支援のおかげで、リックの店には立派な看板も掲げられていた。


リックは椅子に深く座り直し、過去の出来事に思いを馳せた。ニューヨークでの喧騒と、逃亡のスリル、そしてカサブランカでの新しい生活。全てが混ざり合い、今の自分を形作っていた。静かな店内には、リックのつぶやきが虚空に吸い込まれるように消えていった。


サムが栄次郎を案内して店に現れた。

サム「ボス、連れてきました」

リックは栄次郎に言った。

「ようこそ。リックと申します。

二階に部屋を用意しました」

「ありがとう、妻は大丈夫か?」

「ホリーが、別のホテルで一緒です。

安心してください」

栄次郎が尋ねた。「ホリーさんも日系なの?。

リックさん、あなたも?」

リック「はい。日本人には見えないようですが、私たちは、カリフォルニア生まれの日系人です。サムは父が黒人で、母は日本人です」

聞いていたサムが付け加えた。

「寒川という苗字ですが、みんながサムと呼んでます」


リックは言った。

「お疲れでしょう。ゆっくりお休みください」

「久々にベッドで眠れるだけでもありがたい。

バロン薩摩さんと早川雪舟さんのお陰で

なんとかパリを脱出できたよ。

それじゃ!おやすみなさい」

と言って、栄次郎は二階へと消えた。

サムが「ボス! 栄次郎とか言う男は、なぜナチに追われているんですか?」

「ヒトラーを批判して、ナチに追われているんだ」

「名前からすると日本人ですか?」

「母が日本人で、父がオーストリアの貴族だ」

「これからどうやって? 

米国へ亡命させるんですかい?」

「国吉さんが動いているよ」

「サム!  今 ニューヨークは何時だ?」

「分かりません」

「もうアメリカ中が寝てるんだろうな。

世界に星の数ほど店はあるのに

俺たちはなぜモロッコにいるんだ?」

「ボス! そろそろ寝ましょう」



ホリー

ホリーがリックの店にやってきた。

ドアベルがかすかに鳴り響き、彼女の姿が薄暗い店内に現れると、サムは顔を上げて驚いた表情を見せた。


「ホリー、無事だったか?」とサムが尋ねた。


ホリーは軽く微笑んで、肩にかけたバッグから一通の手紙を取り出した。「栄次郎の亡命は、うまくいったのかい?」とサムが続けて尋ねると、ホリーは手紙を差し出しながら答えた。「栄次郎は国吉教授のはからいで、同じニューヨーク大学の教授として亡命できたわ。これは国吉からの報告の手紙よ。」


サムは手紙を受け取り、慎重に封を切って中身を読み始めた。紙に書かれた文字が目に飛び込んでくる。「栄次郎はナチの危険が迫って、カサブランカを脱出して、まだナチから安全なポルトガルに逃亡した。栄次郎はリスボンで米国のビザをとろうとしたが、拒否された。ルーズベルト大統領のしわざだ。米国大統領ルーズベルトはヨーロッパ統一運動は好ましくないと思っている。」


サムは一息ついて、眉をひそめた。「それは困ったことだな。米国の支援が得られないとは。」


「でも、英国の首相チャーチルは、戦後の欧州の平和構想の中心にと、栄次郎の運動を買っていて、栄次郎を支援しているのよ。それで、モロッコのカサブランカで闇のパスポートとビザの入手にホリーを行かせたの。ちょうどその直後に、ニューヨーク大学が栄次郎の招聘を許可したんだ。」とホリーが続けた。


サムは手紙をたたみながら、「それは良かったな。フランス領のカサブランカはドイツの支配下にある。亡命させるとなるとナチスのスパイとのドンパチの危険があったろう」と言った。


ホリーは少し笑って答えた。「そうね。栄次郎は運がいいわ。でも栄次郎は坊っちゃんね。」


「なんかあったのかい?」とサムが興味津々で尋ねる。


「情報によると、アメリカのラジオで亡命したと電話したらしいの。」


サムは驚いて目を見張った。「大胆だね。」


「栄次郎はニューヨークに到着して、たまたまラジオを聴いていたの。ラジオ放送でニューヨーク・タイムズの記者が『リヒャルト(栄次郎)は死んでいても不思議はない!』とコメントした。栄次郎はNYタイムズに電話をかけて抗議したのよ。『ハロー!ぼくはリヒャルト・ニコラウス・エイジロ・クーデンホーフ=カレルギーです』って。」


サムは声を上げて笑った。「え? なんですと?って記者が驚いただろうな。」


「栄次郎は『無事に亡命しました!』と言ってしまったわ。新聞記事になったんだから、まったく坊っちゃんだわ。」


サムは笑いを収め、「暗殺されないことを祈るわ。リックは?」と尋ねた。


「ここんとこボスは署長と何度か話し合いしているの。ドイツの将校が来て、店が休業になったのよ。ボスは署長と打ち合わせ中だわ。栄次郎が無事に亡命したと報告しないと。一緒に警察署に行こう」とホリーが答えた。


サムは頷き、立ち上がった。「それじゃ、行こうか。」二人はリックの店を後にし、警察署に向かった。リックと署長の話し合いが続く中、新たな展開が待ち受けていることを予感しながら。


 

早川雪洲

リックの店に、早川雪洲がやってきた。


早川雪洲:「もうマフィアの追っ手はこないか?」


サム:「一度来ました。ボスが処分しました。」


早川雪洲:「そうか。リックは頼もしいやつだ。サム! なんか弾いてくれ!」


サム:「何にしましょう?」


早川雪洲:「ブロードウェイミュージカルの『エブリバディ・ウェルカム』で歌われた曲は知っているかい?」


サム:「10年前の曲ですね。たしかこんな感じ。」


サムは映画『カサブランカ』で採用された「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」を弾き始めた。


早川雪洲:「それだ。たしか『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』だった。よくわかったね。」


サム:「曲はそれほどヒットしなかったが、父は、よく弾いていました。雪洲さんは、この曲に関わっていたんですか?」


早川雪洲:「ああ〜 なぜか作曲したハーマンとは知り合いなんだ。」


サム:「なぜ米国を去ったのですか?」


早川雪洲:「映画の地震の場面でのセット崩壊のどさくさにまぎれて俺を殺害する計画が行われたんだ。他にも俺の暗殺計画があるらしい。アメリカにはいられなくなった。今パリには約150人の日本人がいる。みんなバロン薩摩(薩摩治郎八)君から援助をうけているよ。彼は資産家でお金には困らない。世界的大富豪だ。もう600億円は使っているそうだ。」


サム:「この店もバロンさんのおかげです。」


早川雪洲:「ああ。彼には、おやすいことだ。」


サム:「なぜバロンさんは大金持ちなんですか?」


早川雪洲:「祖父の遺産だ。東京に日本橋というところがある。一代で巨万の富を築き、木綿王と呼ばれた薩摩治兵衛の孫なんだ。」


男が帽子を深めに被ってギターを持って舞台に登場して弾き出した。


早川雪洲:「ジャンゴだ。」


サム:「わかりましたか?」


早川雪洲:「パリからいなくなったので、心配していたんだ。」


サム:「ジャンゴはロマ族だから亡命をしたいと、ここに。」


早川雪洲:「ジプシー生れなので、ナチの人種絶滅政策がこわいんだね。」


サム:「ロマはユダヤ人以下です。ナチは見つけ次第そこで射殺してしまう。害虫あつかいです。」


早川雪洲:「亡命先は決まったか?」


サム:「スイスです。スイスはロマ族を受け入れています。ジャンゴは抹殺の対象じゃない。ドイツ将校から演奏を頼まれたんです。でもジャズは禁止だそうで。」


銃声が鳴り響く。次に、車で逃走する音が遠ざかっていく。

リックが最初に店に駆け込んだ。

息を切らしながら周囲を確認する。

その数分後、ホリーも追いついた。

彼女の顔には安堵と緊張が入り混じった表情が浮かんでいた。


「ホリー! うまく逃げられたな」とリックが声をかける。


ホリーは微笑んで応えた。「リックこそ」


リックは苦々しい顔をして言った。

「あいつらが二重スパイだったとはな」


ホリーは首を振りながら続けた。

「マックスは妻が二重スパイだと信用できずに、ロンドンで調査すると消えたわ」


リックは深いため息をついた。「俺たちは運転と見張りをしていただけだが、マックス夫妻は派手にマシンガンをぶっぱなしていたな」


ホリーはうなずいた。「英国の五課によると、殺害されたナチスの大使はドイツ帝国の反体派であり、暗殺はヒトラーの指示だそうよ」


リックは拳を握りしめた。「見事にはめられたわけだ」


ホリーの表情が険しくなる。「マックスには、二重スパイ容疑の妻を殺せという命令が出たわ」


リックは目を細め、決然とした表情で言った。「もう俺の関わりは終わりだ」


そのとき、サムが現れた。「ボス! 大丈夫でしたか?」


リックは笑顔を見せた。「ああ、派手なマシンガンの嵐だったが、

ナチにばれないように半日署長のところに隠れていたよ」


「サム! 何か弾いてくれ!」


サムは答えた。「今夜はホリーに歌ってもらいませんか。今夜は演奏しすぎて、もう勘弁してください」


リックはうなずき、ホリーの方を向いた。「ホリー、お願いできまるか? 」


ホリーは微笑み、しっかりとした声で言った。「わかったわ。私も歌いたい気分よ」


その場が静まり返り、ホリーが「ムーンリバー」を歌いだす。彼女の歌声は店内を優しく包み込み、

全ての疲れと緊張を和らげていった。



リックの妹である愛理は撮影スタジオ内のカフェにいた。椅子に座って、国吉叔父の手紙を読みかえしていた。


『拝啓!愛理。元気かい? 国吉叔父さんだ。

私はなんとか殺されないでいる。

日本軍の真珠湾攻撃後はニューヨーク日本人会で公民権運動をしている。

ニューヨーク在住日本人美術家委員会の名で声明を出し、日米戦争に際してアメリカを明確に支持すると表明した。

表明には保忠蔵やトーマス永井、鈴木盛、ロイ門脇といった在米日本人・日系美術家が加わったよ。

ルーズベルト大統領やニューヨーク州知事や知人に送った。

なんとか今の所、ニューヨークでは日本人は強制収容所に入れられないでいる。

だがいつ日本人収容所に入れられて殺されるかわからない。

おまえのお兄さんだが。今サムとカサブランカにいる。

東京ジョー親分の下で働いていたが、リックが敵対マフィアとの抗争に巻き込まれて、リックが敵のボスを殺してしまった。

二人を逃がすために、ホリーをモデルにしたアフリカ撮影旅行に同行させた。

二人はカルフォルニア生まれだから、アメリカでは強制収容所行きだが幸い免れている。

マフィアにも追われているので米国には戻れない。

二人はオーストリア貴族の栄次郎氏を米国へ亡命させる仕事をしている。

栄次郎はヒトラーを公然と批判してナチに追われているんだ。

私はリックとサムの国外逃亡の罪を減免させるためにユダヤ人協会の依頼で動いている。

さてと戯曲『みんながリックの店にやってくる』を一緒に送った。

内容は、お前の兄さんが経営する店の話だ。

米国人が夏休みにカサブランカに行って見聞きした。

リックの店では、偽造パスポートを求めてユダヤ難民があえいでいる。

パスポートを求める難民をだます詐欺やパスポートを手に入れるために難民が肉体まで売ることもあるようだ』


リックも愛理からの手紙を読んでいた。サムが尋ねた。「ボス! 何を、にやけています?」

「俺の店が映画になったそうだ。俺がボギーだって。サム! お前もでている。

ホリーは、いないんですか?

原作では米国女性のドリーが、おそらくホリーだろう。

映画では、最初はホリーが登場の話になったが、いなくなったそうだ」


カサブランカ侵攻


1942年11月のある日、リックの酒場の重い空気を切り裂くようにホリーが現れた。


「ひさしぶり、リック。」ホリーの声が響く。


「いよいよカサブランカも危ないのか?」リックはすぐに本題に入った。


「そうよ。そろそろ侵攻が始まるわ。」ホリーの顔には緊張の色が浮かんでいた。


「ところで、あのマックスはどうした?」リックは旧友のことを尋ねた。


「妻が自殺したの。二人には娘がいたのに。」ホリーの声が低くなる。


「関わっただけに。泣けるぜ。」リックは深く息を吐いた。


その時、サムが現れた。「ボス、潮時ですね。俺は軍に志願します。国吉さんはなぜ収容所に行かないのですか?」


ホリーが答えた。「ニューヨーク在住の日本人はセーフよ。」


サムは納得がいかない様子で言った。「それじゃ、ジョー親分はニューヨーク在住ですぜ。ボスと同じカリフォルニア州ストックトンで生まれたのに?」


「日本人初のマフィア・ギャングだからかもね。」ホリーは皮肉っぽく言った。「ともかく、西部にいる日本人は不幸ね。」


サムは興味深そうに尋ねた。「ホリーはどこの生まれだ?」


「南部よ。」


「南部に日系人なんてめずらしい。栄次郎さんも日本人ハーフだが、大学教授か。不公平すぎる。いったいどれくらいの日本人が?」


「およそ12万人らしい。収容所で病死者が多く出ているわ。」ホリーの声には憤りが込められていた。


ずっと黙って聞いていたリックに、ホリーが言った。「リック、あなたはユダヤ協会からお願いが来ているわ。」


「お願いじゃねえだろ。指令だろ。」リックの声は冷ややかだった。


1942年11月26日、連合軍がカサブランカを侵攻し、占領した。リックは在モロッコのナチス・ドイツ要人の暗殺計画を陰から見守り、ナチス要人を殺害した夫婦のロンドン脱出を助け、ロンドンへ渡った。サムは米国に帰還して軍に志願した。


占領翌日の朝、カサブランカは連合軍の爆撃によって崩壊していた。ホリーは港の避難施設でスープを飲んでいると、一緒に避難していたシニョールが声をかけてきた。


「カサブランカでの朝食がこれだとはね。行くところがないなら、うちに来ないか?」シニョールは南米の富豪だった。


ホリーは微笑んで答えた。「それも悪くないわね。」


シニョールと共に南米に向かったホリーは、そこで新しい冒険に身を投じることになった。ブラジルの汚れた街並み、ブエノスアイレスの輝かしい風景、どれも彼女にとっては新鮮で刺激的だった。


カポーティに絵葉書を送りながら、ホリーは新しい生活に胸を膨らませた。「ブラジルはきったないけど、ブエノスアイレスは最高。ティファニーじゃあないけど、大体ね。大金持ちのシニョールと知り合いになっちゃった。愛かって?そうかもね。ともかくどこか住むとこを探してるの。シニョールには奥さんと七人のおチビちゃんがいるんで。決まったらお知らせするね。」


しかし、ホリーの本当の目的はナチの南米拠点リサーチだった。新しい土地で彼女は再びその強靭な精神と機知を武器に、次なる冒険へと踏み出していった。


銀座の店「東京ジョー」

第二次世界大戦が終わった。早川雪舟はハンフリー・ボガートに呼ばれてパリから米国へ向かっていた。彼が出演するのは映画「東京ジョー」だった。この映画は全編が日本を舞台にしており、物語は東京・銀座二丁目のバー、Tokyo Joe'sを中心に展開する。


主人公のジョー(ハンフリー・ボガート)は日米戦争の勃発で一度米国へ帰国するが、戦争が終わり日本に戻ってくる。東京で再びバーを開くジョーの姿には、彼が柔道や日本語を駆使するシーンも描かれている。


ある日、サムが日本に戻り、銀座にあるリックの店「東京ジョー」を訪れる。店内はカサブランカのリックの店を彷彿とさせる雰囲気だった。


「店の名前は親分の店ですね。中はカサブランカのお店と変わらない。」サムがリックに言った。


「いや〜、生きていたのか。お前も日本か?」リックが驚きながらも嬉しそうに答えた。


「米国は僕ら日系人を裏切った国です。信用できない。」サムは険しい顔をして言った。


「俺も同じだ。米国は信用できない。」リックが同意するように言った。


「なぜボギーは映画でジョー親分の名前を?」サムが尋ねると、


「わからない。早川雪舟さんがつけたのかもな。おまえはどこの前線に行かされたんだ?」リックが問い返した。


「ボス!ノルウェイに出撃しました。ノルウェイの森にあったドイツの慰安婦収容所の開放に関わりました。」サムが答えた。


「また!収容所かい。俺は英国へ渡った。エンスラポイド作戦だ。ナチスのユダヤ人や少数民族の絶滅政策の首謀者の暗殺だ。」リックが自分の戦歴を話す。


「ハイドリッヒ・ラング暗殺ですね。それはすごい作戦に。」サムが感心するように言った。


「ジョー親分はユダヤの収容所を開放したそうです。」サムが続ける。


「どこで?」リックが尋ねる。


「ドイツバイエルン州のダッハウ強制収容所です。」サムが答える。


「日本人みんながユダヤ人を助けている。」リックが感慨深げに言った。


「やっぱ!ユダヤ人とは親戚なんですかね。」サムが冗談めかして言った。


「米国のドイツ人が日本人を収容所へ入れたらしい。」リックが厳しい表情で答えた。


「あいつら敵国なのに、米国で、のうのうとしていた。」サムが憤りを見せる。


「そうだ!サム!ホリーも日本に帰国したんだぜ。ほら。」リックが指差した先にはホリーが登場し、歌い始めた。彼女の歌声が店内に響き渡り、二人の間に一瞬の静寂が訪れた。彼らは戦争の傷跡を共有しながらも、新しい未来に向けて歩み出していった。


「ムーン・リバー」という曲が流れる。

次に 軽快なリズムの曲で

ホリー「眠りたいわけでもなく、

死にたいわけでもない。

ただ、旅して行きたいだけ、 

ムーンリバーを越えてね。

 トラヴェリング~、 トラヴェリング~

 ミス・ホリデー・ゴライトリー、トラヴェリング

そんな、見えない名札をつけているのよ」


終わり 


### サキコの解説


**ホリー・ゴライトリーについて**


ホリー・ゴライトリーは、オードリー・ヘプバーンが映画で演じたキャラクターで、とても有名です。


ケイコ:「『ティファニーで朝食を』ですよね」


サキコ:「そうです、ケイコさん!ティファニーはレストランですか?」


ケイコ:「調べましたが、ティファニーはニューヨークにある世界的に有名な宝飾品や銀製品の店です。創業は天保、つまり江戸時代ですね」


サキコ:「映画では、オードリー・ヘプバーンがこのお店のショーウィンドウを見ながらクロワッサンを食べるシーンがあります。しかし、このシーンは原作にはないんです。タイトルの意味は、ティファニーで朝食をとるなんて、現実にはあり得ないことの例えでしょうね。お店で朝食を食べるほどの高い身分とも解釈できます」


サキコ:「原作を読んでみましょう。ホリーはこう言います『いつの日か目覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、このままの自分でいたいの』」


ケイコ:「ホリーって実在するんですか?」


サキコ:「村上春樹さんも言っていますが、原作者のカポーティは自分が体験したことしか書けない人なので、モデルはいるはずです。専門家によると、複数の実在する人物を混ぜ合わせたキャラクターだそうです。カポーティが友人として付き合っていた数名の女性がモデルのようです」


ケイコ:「カポーティの『ティファニーで朝食を』では、ホリーはアフリカを転々として、北アフリカのカサブランカにも行ったそうですね」


サキコ:「そうですね。カポーティはリックたちが国吉ハウスを去った後、その部屋を借りています」


ケイコ:「映画『カサブランカ』の原作『みんながリックの店にやってくる』の主人公は、ホリーかもしれないと考えています。原作に登場するふしだらな出戻りアメリカ女性、ロイス・メレディスがそうかもしれません」


サキコ:「映画『カサブランカ』では、ロイス・メレディスの役はバーグマンに変わっています。原作の配役はほとんど変わってしまいました。後に原作者が訴訟を起こしています」


2 ホリー


ケイコ「ホリーってどんな女性でしょうか?」

「国吉康雄という画家が彼女の肖像画を描いています。その絵を見ると、日本人の女性のように見えますね。ちなみに、国吉康雄は原作ではユニヨシという名前で登場しています。


国吉康雄は岡山県出身で、ニューヨーク大学の教授まで務めた画家です。彼はニューヨークのイーストビレッジに住んでいて、その建物の最上階に住んでいました。下の部屋をホリーに貸していて、作家のカポーティもそのアパートに住んでいたのです。


『ティファニーで朝食を』に登場するユニヨシは、国吉康雄がモデルです。私は思うのですが、郵便受けに旅行中と札をかけていたホリーは、カポーティもよく知らない謎の女性だったのでしょうね。」


ケイコ「国吉が描いたホリーの肖像みたいですね。」


「でも、オードリー・ヘプバーンとは全然違う顔をしていたそうです。カポーティの自伝によると、『ティファニーで朝食を』は猥褻だとされてアメリカ南部では発禁本になっていました。ホリーが売春婦だと解釈されたからです。実際にはホリーは援助交際で生計を立てていました。


カポーティは、オードリー・ヘプバーンがホリーを演じると聞いて、そのイメージの違いに激怒しました。カポーティはマリリン・モンローがホリーを演じると思っていたのです。実際、ハリウッドも最初はモンローにオファーをしましたが、売春婦役だったので彼女は断りました。その代わりにオードリー・ヘプバーンが抜擢されたのです。想像もつかない大胆な選択でした。


原作を知っている人は、映画がヒットするとは思わなかったでしょう。結末も原作と違い、相手役の男も違うキャラクターになっていました。それでも映画は大ヒットしました。これはハリウッド・マジックと呼べるでしょう。映画の中の妖精のようなオードリー・ヘプバーンが演じたからこそです。


カポーティは後に、女優ジョディ・フォスターを見て『彼女こそホリーだ!』と言ったそうです。」


### 映画『カサブランカ』について


アメリカ映画『カサブランカ』には、日本人がモデルになったという話があります。この映画はアメリカの国宝とも言われ、アカデミー賞を受賞した作品です。また、ワーナー映画の最初のエンブレムとして、映画の主題歌「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」が流れることも有名です。


1998年にアメリカ映画協会(AFI)は、『カサブランカ』をアメリカ映画ベスト100の2位に選びました。1999年には、アメリカ脚本家組合(WGA)が『カサブランカ』を「偉大な脚本歴代ベスト101」の1位に選出しています。


物語は、実在の栄次郎をアメリカに亡命させるために主人公リックが活躍する内容です。そして、栄次郎の妻がリックの元恋人だったという複雑な関係も描かれています。


### 栄次郎の母・青山光子について


青山光子は、明治25年に東京で生まれました。ある日、光子の父が経営する骨董商の店先で、駐日オーストリア代理公使ハインリッヒ・クーデンホーフ・カレルギー伯爵が馬で通りかかり、馬が滑って転んだところを光子が介抱したことがきっかけで二人は知り合いました。やがて光子は18歳でカレルギー伯爵と結婚し、長男・ハンス光太郎、次男・リヒャルト栄次郎が生まれました。


光子は後に夫の祖国オーストリアに渡り、社交界で有名な存在となりました。また、光子はゲラン社の香水「ミツコ」のモデルだとも言われています。この香水は、フランス人作家クロード・ファーレルの小説『ラ・バタイユ』のヒロインから名付けられたもので、実在の人物ではなく架空の登場人物がモデルだという説もあります。しかし、ゲラン社は日本での販売促進のために、光子をモデルと関連づける方針を取ることもありました。


### 映画『カサブランカ』の評価と脚本


『カサブランカ』は全米脚本家組合の選考で1位に選ばれています。以下はベスト5作品です:

1. カサブランカ

2. ゴッドファーザー

3. チャイナタウン

4. 市民ケーン

5. イヴの総て


この映画の脚本が評価された理由は、アメリカで「脚本の神様」と呼ばれたエプスタイン兄弟が手掛けたからです。チャーリー・カウフマンの映画『アダプテーション』でも、脚本家育成講座のシーンでエプスタイン兄弟が「神と崇められる脚本家」として登場します。


### 栄次郎の亡命


栄次郎の亡命は映画『サウンド・オブ・ミュージック』の実話と似ており、ナチスから逃れてアメリカに向かったという背景があります。栄次郎はパリからポルトガルを経由してアメリカへ亡命しました。当時、フランスやモロッコはドイツの支配下にありましたが、ポルトガルはまだドイツの支配下にはなっていませんでした。


### カサブランカという都市


カサブランカは北アフリカのモロッコにある都市で、スペイン語で「白い家」という意味です。モロッコはかつてフランス領であり、地理的にはスペインに近いため、両国は歴史的に深い関係があります。



映画『カサブランカ』の主題歌「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」は、

1931年にハーマン・フップフェルドが作詞・作曲した曲です。最初はヒットしませんでしたが、『カサブランカ』で使用されたことで有名になりました。撮り直しが予定されていたものの、主演のイングリッド・バーグマンが別の映画の撮影に入り髪を切ったため、計画は変更されました。


また、2016年の映画『マリアンヌ』は、第二次世界大戦中のスパイの話です。カナダの諜報員ブラッドとフランス人工作員マリアンヌが、夫婦を装いながらナチス要人の暗殺任務を遂行します。二人はロンドンで結婚し子供を持ちますが、マリアンヌが二重スパイである疑いが浮上。ブラッドはマリアンヌの正体を探るために彼女をテストします。最終的にマリアンヌはスパイであることを認め、娘をブラッドに託し自殺します。ブラッドと娘はその後、カナダで静かに暮らしました。


この手のスパイストーリーは多く、実話やフィクションでもよく見られます。



リックの妹・愛理は映画『カサブランカ』の制作秘話を記録しています。戯曲『みんながリックの店にやってくる』は叔父の国吉から愛理に渡されました。愛理は夫の姉のワーナー・ブラザーズで働くダイヤモンドに相談し、ダイヤモンドは上司のプロデューサーのハル・ワリスに戯曲の権利を二万ドルで購入させました。


映画の上映日は連合軍のカサブランカ侵攻と同じ1942年11月26日に決まりましたが、脚本はまだ完成しておらず、急ピッチで制作が進められました。ワーナーではこの映画をプロパガンダ映画としてとらえており、駄作でも構わないとされました。


脚本家たちは脚本が未完成のまま制作を進め、愛理はリックと栄次郎のストーリーを提案しました。最終的に栄次郎はチェコの革命家ラズロになり、妻のイダがリックの恋人という設定になりました。リック役は悪役で知られるハンフリー・ボガートに決まり、イダ役はハリウッドに染まっていないスウェーデン出身のイングリッド・バーグマンが選ばれました。


撮影は1942年5月25日に始まり、8月3日に完了しましたが、脚本はクランクインの段階で完成しておらず、シーンごとに順次撮影されました。バーグマンはどちらの男性と結ばれるかが決まっていないことに戸惑いながらも撮影に臨みました。


また、バーグマン(175cm)とボガート(170cm)の身長差を調整するために、ボガートは踏み台に乗って撮影されました。こうして映画は完成し、多くの名シーンと名台詞が生まれました。


このように、『カサブランカ』の制作は多くの困難を乗り越えて完成し、今では名作として知られています。




映画『カサブランカ』の脚本家ハワード・コッチは、誰を最後まで生き残らせるべきか悩んでいました。主人公のリックや他のキャラクターの運命について考え続けたのです。ある日、彼はサンセット大通りを車で走っている最中に、「容疑者を捜せ」という言葉が突然頭に浮かびました。これをヒントに、リックがドイツの少佐を殺す展開にし、署長に「容疑者を捜せ!」と言わせることに決めました。この「容疑者を捜せ!」というセリフは、後に映画『ユージュアル・サスペクツ』でも使われました。


『カサブランカ』のラストシーンについても様々な案が検討されました。例えば、リックが残るバージョンや、イングリッド・バーグマン演じる妻が夫だけを行かせてリックと残るバージョンなどです。最終的に、スタッフの評価が高かった方が採用されました。


有名なラストシーンで、リックがバーグマンに「飛行機が飛び立って彼がいないと絶対に後悔するんだ」と説得する場面があります。バーグマンは「嫌よ」と答えますが、リックは「今日はいい、明日はいい。でもすぐに君は一生後悔する」と続けます。バーグマンが「私たちはどうなるの?」と問うと、リックは「俺たちにはパリの思い出があるじゃないか。昨夜取り戻したよ」と答えます。そして「心はひとつさ。さぁ行くんだ。君の瞳に乾杯!」と告げます。バーグマンは「こんなに愛さなければよかった」と涙します。


また、リックの最後の有名なセリフ「ルイス、これが美しき友情の始まりだな」は、脚本にはなく、製作者のウォリスが撮影終了の三週間後に追加したものです。ウォリスは映画のタイトルも『カサブランカ』に変更しました。


### 映画『カサブランカ』の総括


#### 1. 映画『カサブランカ』の受賞歴

- 映画『カサブランカ』はアカデミー作品賞を受賞しました。

- マイケル・カーティスはこの映画で監督賞を受賞しました。

- 脚本を担当したジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・G・エプスタイン、ハワード・コッチの3名は脚色賞を受賞しました。

- 主演のハンフリー・ボガート(リック役)は、1999年にアメリカ映画協会(AFI)が発表した「アメリカ映画スターベスト100」で男優の第1位に選ばれました。


#### 2. なぜ映画『カサブランカ』が名作とされるのか

- 俳優からスタッフまでが和気あいあいとした雰囲気で脚本を作成し、複数のシーンを撮影してどちらが良いかを決める方法を採用しました。

- 多くの関係者が意見を出し合える環境で制作されたため、多くの人々の意見が反映され、名作となりました。

- 撮影後に出来を見て脚本を変えるという、豪華で贅沢な映画作りが行われました。


#### 3. ウッディ・アレンのオマージュ映画

- ウッディ・アレンは映画『カサブランカ』にオマージュを捧げた映画『ボギー! 俺も男だ』(原題:Play It Again, Sam)を作りました。

- この映画は『カサブランカ』のシーンから始まり、毎日そのシーンを観る主人公が登場します。


#### 4. イングリッド・バーグマンのエピソード

- 晩年近く、ロンドンでバーグマン特集があり、彼女は講演に呼ばれました。

- 映画『カサブランカ』が上映され、バーグマンは初めてこの映画を観たと言いました。

- 講演で彼女は「本当にいい映画ね」と述べ、聴衆は笑いました。

- バーグマンはこの映画が失敗作で完成しなかったと思っていました。

- これは撮影終了後にヘミングウェイの大作映画『誰が為に鐘は鳴る』に出演が決まり、その役作りに全力を注いでいたためです。

- 彼女は共演のゲーリー・クーパーと共に充実した日々を送り、『カサブランカ』のことを忘れてしまうほどでした。


#### 5. 映画『東京ジョー』

- 映画『カサブランカ』の8年後、ハンフリー・ボガートは『東京ジョー』という映画に出演しました。

- これはマフィアの「トウキョウ・ジョウ」とは別の作品です。




アメリカのマフィアのボスとなった日系アメリカ人


1. **人物紹介**: 主人公の名前は衛藤健えとう けん。彼は日本の大分県竹田に生まれた衛藤衛えとう えいの長男です。

2. **父の活動**: 衛藤衛は日本政府の命令でカリフォルニア州に派遣され、日系アメリカ人の実態を調査しました。彼はストックトンで教会を開き、日系アメリカ人を救済しようとしました。

3. **主人公の成り上がり**: 衛藤健はストックトンで生まれましたが、家出してニューヨークのリトル・イタリーで賭博場で働きました。そこでカードさばきの腕を認められ、マフィアのボスに重用されました。

4. **戦争と収容所**: 第二次世界大戦中、健は日系人の強制収容命令によりアイダホ州のミニドカ収容センターに収容されました。彼は日系二世部隊として従軍しました。

5. **マフィアとの関係**: 戦争後、カルロ・ガンビーノ(映画『ゴッドファーザー』のモデルの一人)と出会い、マフィアの一員として活動し、最終的にはボスに昇りつめました。

6. **逮捕と保護**: 1980年8月、シカゴ郊外のホテルで不法賭博を開帳中にFBIに逮捕されました。その後、シカゴ北部のボス、ヴィンセント・ソラノに殺されかけたため、FBIの保護下に入りました。

7. **最期**: 2004年1月23日にジョージア州で死去しました。


また、映画『バラキ』に出てくる人物と衛藤健は同様にマフィアを裏切り、FBIの保護下に入った点で共通しています。



### 映画『カサブランカ』で使われたピアノについて


「カサブランカ」に登場したピアノは以下のような歴史があります:


1. **落札**: 昭和63年(1988年)頃、日本人がオークションで15万4000ドルで落札しました。この時、競り合った相手はアメリカの不動産王、ドナルド・トランプ氏でした。

2. **特徴**: ピアノは1927年に製作されたと考えられており、鍵盤の数は通常のピアノよりも少ない58鍵です(通常のピアノは88鍵)。

3. **展示**: ピアノは奈良市内の喫茶店で展示され、話題となりました。

4. **再オークション**: 2014年に再びオークションに掛けられ、340万ドルで落札されました。この時の落札者はレオナルド・ディカプリオさんと他の富豪で、ピアノをロサンゼルスの美術館に寄贈する予定です。

サムは日本人かもしれません。


### 栄次郎の米国亡命後の経歴


栄次郎は1944年にニューヨーク大学の正教授になりました。米国亡命中には、クーデンホーフ家のかつての主君の末裔であるオットー・フォン・ハプスブルク公と協力してオーストリア亡命政府の樹立を画策し、米英両国政府に働きかけましたが、成功しませんでした。


第二次世界大戦後の1946年にヨーロッパに戻り、ヨーロッパの統一を目指して汎ヨーロッパ活動を行いました。彼は1972年にスイス国境付近のオーストリア国内の村落シュルンスで亡くなりました。





ボギー(ハンフリー・ボガート)がなぜアメリカで人気があり、ナンバーワン男優とされるのかについての説明です。


ボギーは、二枚目俳優ではなく、もともとは悪役を演じることが多かった。しかし、戦争プロパガンダ映画の主演に抜擢されたことで、スター俳優としての道が開かれた。この映画は急ぎで制作され、脚本も未完成の状態であったが、公開日が連合軍のカサブランカ侵攻の日と同じであることから、大きな注目を集めた。こうしてボギーは映画の神様に愛されたかのようにスターとなったのだ。


また、ボギーの人気の理由には彼のキャラクターが関係している。彼は不器用で、ガラスのように繊細な心を持つ男性であり、女性の母性本能をくすぐる存在だった。この点では、日本の俳優である高倉健と似ている部分がある。高倉健もまた、強面のスターでありながら、その内に弱さを抱えている姿が女性に人気だった。


ボギーはまた、泣き虫で女性に対して優しい一面も持っていた。映画『カサブランカ』では、その泣き虫な面がよく描かれている。ボギーはよく女性に質問を投げかけ、逆に女性からキスで答えを返されるシーンもある。彼の姿は「やせ我慢」とは少し違い、むしろ女性に裏切られることを恐れている繊細な男として描かれている。



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最後に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは「442部隊」についてです。



ケイコ:

「442部隊って?

中国で悪いことをした旧日本軍かと思いました」

「アメリカ史上最強の陸軍部隊と言われている部隊なんです」

「史上最強?」

「442部隊は日系人部隊で、第二次世界大戦でアメリカ軍の中で最もドイツ軍を追い詰めた特攻部隊です。でも、その功績は秘密にされていました」

「なんだか、映画『カサブランカ』に通じるものがありますね」

「442部隊の死傷率が314%だったことは知っていますか?」

「それってどういうことですか? 計算が合いませんが」


「つまり、兵士一人当たり平均して三回以上も負傷しているということです。負傷しても再び戦うということですね。アメリカ軍史上最多の勲章を受け、現在もその記録は破られていません。あまりに多くの勲章をもらうので『クリスマス・ツリー連隊』とあだ名が付いたほどです。つまり、勲章で飾られているということです。一人で二度、三度負傷しても前線に戻って戦い続け、その功績を勝ち取りました」


「アメリカで、日本人がどれだけ貢献したか。このように、白人の手柄にされてきた歴史の中に、日本人の貢献もあったのです。アメリカの国宝ともいえる映画『カサブランカ』にも、日本人が貢献していたかもしれませんね」



ナチのノルウェーの家畜化政策


「ナチスが優秀なドイツ民族の子孫を増やそうとした『レーベンスボルン(命の泉)』政策も知っておいてください。当時、少子化で人口が減っていたドイツ国民の数を増やすために、ナチスはドイツ兵に対し、占領地であるノルウェーの女性との間に子供を作ることを奨励しました。戦後、その子供たちは9千人とも1万人とも言われ、ヨーロッパの人権裁判所でノルウェー政府を相手取り損害賠償を求めました」

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日本語歌詞


「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」

いつまでも 忘れないわ

パリの 日々 を 

サムが 歌うのよ 

アズ・タイム・ゴーズ・バイ


キスはキス ただ それだけ 

せつないわ

サムが 歌うのよ 

アズ・タイム・ゴーズ・バイ


カサブランカ 行かなければ

リックとも 会わなかった 

こんな つらいことも なかったわ


あなたから 旅立ったわ

忘れないわ

リックがつぶやく 

アズ・タイム・ゴーズ・バイ



「ムーンリバー」


ムーンリバー いつの日か 

渡っているわ きっと〜

夢は かなう 負け ないわ〜

私は 行く の〜 

その日 まで〜

ふ〜たりは〜 さまようの

銀河を こえて ゆく〜

約 束  しましょう 

虹の果で 待っていてね 

ムーンリバー アンド ミー


訳 いしくらひらき








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