38/473
北野恋愛映画Dolls(3)つながり乞食
北野作品「Dolls 」のストーリーの主軸は
「結婚を約束した男(西島秀俊)に振られて、
白痴状態になった女性(菅野美穂)に対して、
責任を感じて1本の赤いひもで、お互いを繋ぎ、最期に心中する」
西島は菅野と寄り添っていれば、いつか正気に戻ると信じている。
まるでフェフェ(フェリーニ)の映画「道」の反省編のようで、
とてもせつない。
号泣して見続けることのできない映画「道」では、
狂ったジェルソーミナをザンパーノは道端に捨て去ってしまう。
そして一生、そのことを後悔してしまうのだ。
「Dolls 」映画の進行も「あの夏、いちばん静かな海。」と同じ、
ほとんどセリフなしのサイレント
北野ブルーと言われた単色ではなくて、日本の四季の色にこだわる。
二人は結婚を約束した思い出の場所に到着する。
菅野はその時に、もらったペンダントを西島に見せる。
正気が戻ったように思ったが・・・
北野監督が言う。
「これまで一番、最も暴力的な映画である」