北野恋愛映画Dolls(2)お前のために死んでもいい
北野恋愛映画Dolls(2)お前のために死んでもいい
江戸時代に人気を博した「冥途の飛脚」。
遊女を身請けするために、
客からの預り金を女のために流用してしまう。
女のために犯罪を犯してゆき、恋の逃避行が始まる。
フランソワトリュフォーの「暗くなるまでこの恋を」を連想する。
トリュフォーで一番好きな作品だ。
ジャンポールベルモンドーは惚れた女のために
犯罪を犯して逃避行が始まる。
ドヌーブは逃避行に疲れて、ベルモンドーを毒殺しようとする。
警察に追い詰められた山小屋でコーヒーに毒をもる。
飲もうとするベルモンドーは、
山小屋に遺された古い新聞記事が目に入る。
白雪姫の毒リンゴの漫画だ。
ドヌーブの視線にも毒リンゴが入る。
ベルモンドーはドヌーブを見つめてつぶやく、
「俺は、お前のために死んでもいい」
ドヌーブは我にかえって
ベルモンドーの持つコーヒーカップを床に落としてしまう。
二人は雪原をさまよい、スイス国境をめざして歩いていく。
指摘されるように、名作「大いなる幻影」に似た作品だが、
ヘミングウェイの「武器をさらば」も連想させる。
「暗くなるまでこの恋を」は
アンジェリーナ・ジョリー主演「ポワゾン」で、リメークされている。
北野作品「Dolls 」の男女一組目は恋の逃避行の話しだ。
二人は「つながり乞食」となって、さまよい歩く