(19)映画のタイトルを『カサブランカ』に変更
(19)映画のタイトルを『カサブランカ』に変更
みなさん!ごきげんよう。
サーキーの映画の時間です。
映画カサブランカの脚本の最終責任者ハワード・コッチは
誰をラストに残すべきか考え続けていた。
栄次郎を殺すか? でも英雄だから殺したくない。
リックを殺すか?
ある日思いがけず、ラストが決まりました。
ハワード・コッチはサンセット大通りを走行中に、
突然に『容疑者を捜せ」という言葉が頭に浮かんできた。
リックにドイツの少佐を殺させることにしたのです。
そして署長に『容疑者を捜せ!』と言わせた。
『容疑者を捜せ!』は、
後の映画『ユージュアル・サスペクツ』で採用されます。
『ユージュアル・サスペクツ』は、
映画『カサブランカ』のオマージュで タイトルはおろか
製作プロダクションの名前にまで及ぶほどです。
リックが残る案と、妻は夫だけ行かせてリックと残る、
二通りのラスト・シーンを撮影して、観比べた結果、
スタッフの評価が高かった方が採用されました。
『もし飛行機が飛び立って彼がいないと絶対後悔するんだ』とリックが言います。
『いやよ』 とバーグマンが答える。
『今日はいい、明日はいい。でもすぐに君は一生後悔する』
『私達はどうなるの?』
『俺たちにはパリの思い出があるじゃないか。
昨夜取り戻したよ』
『でも離れないと昨夜約束したわ』
『心はひとつさ。さぁ行くんだ。君の瞳に乾杯!』
『こんなに愛さなければよかった』
リックのラストの有名な決め台詞
『ルイス、これが美しき友情の始まりだな』は、
脚本にはなく、製作者のウォリスによって撮影終了の三週間後に付け加えられた。
『俺は死にたくない』と言った撮影シーンを生かしたのでした。
そして製作者のウォリスは、
映画のタイトルを『カサブランカ』に変更しました。