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カサブランカで朝食を(12)日本人迫害

第七場

リックの妹・愛理は撮影スタジオ内のカフェにいた。

椅子に座って、国吉の手紙を読みかえしていた。


『拝啓!愛理。元気かい? 国吉叔父さんだ。

私はなんとか殺されないでいる。

日本軍の真珠湾攻撃後は

ニューヨーク日本人会で公民権運動をしている。

ニューヨーク在住日本人美術家委員会の名で声明を出し、

日米戦争に際してアメリカを明確に支持すると表明した。

表明には保忠蔵やトーマス永井、鈴木盛、ロイ門脇

といった在米日本人・日系美術家が加わったよ。

ルーズベルト大統領やニューヨーク州知事や知人に送った。

なんとか今の所、ニューヨークでは日本人は強制収容所に

入れられないでいる。

だがいつ日本人収容所に入れられて殺されるかわからない。

おまえのお兄さんだが。

今サムとカサブランカにいる。

東京ジョー親分の下で働いていたが、

リックが敵対マフィアとの抗争に巻き込まれて、

リックが敵のボスを殺してしまった。

二人を逃がすために、ホリーをモデルにしたアフリカ撮影旅行に同行させた。

二人はカルフォルニア生まれだから、

アメリカでは強制収容所行きだが幸い免れている。

マフィアにも追われているので米国には戻れない。

二人はオーストリア貴族の栄次郎氏を米国へ亡命させる仕事をしている。

栄次郎はヒトラーを公然と批判してナチに追われているんだ。

私はリックとサムの国外逃亡の罪を減免させるために

ユダヤ人協会の依頼で動いている。

さてと

戯曲『みんながリックの店にやってくる』

を一緒に送った。

内容は、お前の兄さんが経営する店の話だ。

米国人が夏休みにカサブランカに行って見聞きした。

リックの店では、偽造パスポートを求めてユダヤ難民があえいでいる。

パスポートを求める難民をだます詐欺や

パスポートを手に入れるために難民が肉体まで売ることもあるようだ』



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