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カサブランカで朝食を(5)サーキーが原作を語る 

原作を読みますね。

ホリーが言います。


「いつの日か目覚めて、

ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、

このままの自分でいたいの」


「ホリーって、実在するんですか?」


「村上春樹氏も言っているけど。

原作者のカポーティは、

体験したことしか書けないので、

モデルは、いるはずよ。

専門家によると複数の実在する人物を混合したキャラクターだって。

カポーティが友人として交際していた数名の女性らしいけど」

ケイコ「カポーティの『ティファニーで朝食を』で、

ホリーはアフリカを転々としたみたいですね。

北アフリカのカサブランカに行ったのでしょうね」


リックらが国吉ハウスを去った後に、

カポーティが彼らが住んだ部屋を借りている。


「映画『カサブランカ』の原作『みんながリックの店にやってくる』

の主人公はホリーかもしれないと思っている。

原作に登場するふしだらな出戻りアメリカ女のロイス・メレディス」

ケイコ「映画『カサブランカ』ではバーグマンに変わったんですね」

「原作の配役は、ほとんどいなくなっているわね。

あとで原作者が訴訟を起こしている」

ケイコ「ホリーって どんな女性でしょうか?」

「国吉が肖像画を描いている。

肖像画を見ると日本人の女性に思えた」

「国吉って原作ではユニヨシになっていますね」

「岡山県出身の国吉康雄は

ニューヨーク大学で教授にまでなった画家です。

国吉はニューヨークのイーストビレッジに住んでいました。

建物の最上階に住み、下の部屋をホリーに貸していました。

アパートですね。原作者カポーティも住んでいました。

『ティファニーで朝食を』に登場するユニヨシは、国吉がモデルです。

私は思うのです。

郵便受けに旅行中と札をしていたホリーは

カポーティもよく知らない謎の女性だと」

ケイコ「国吉が描いたホリーの肖像みたいですね」

「でも、オードリーヘップバーンとは、

顔は真逆だそうね。

カポーティの自伝では『ティファニーで朝食を』は

猥褻でアメリカ南部では発禁本になっていたと書いている。

ホリーが売春婦だと解釈されたのね。

実際には働かないで援助交際で生計を立てている。

カポーティは、オードリー・ヘプバーンが演じると

聞いてイメージが違いすぎると激怒したらしい。

カポーティはマリリン・モンローが演じると思ったようね。

たしかにハリウッドもモンローにオファーはしたが、

売春婦役なので断ったそうです。

それでオードリー・ヘプバーンという妖精みたいな女優を抜擢する。

想像もつかない大胆な抜擢です。

原作を知る人は作品がヒットするとは思わない。

結末も原作とは違う。相手役の男は原作と違う男娼だし。

しかしそれが大ヒットします。

ハリウッド・マジックといいますか。

映画の妖精オードリー・ヘプバーンが演じたからでしょう。

カポーティは女優ジョディ・フォスターを見て、

『彼女こそホリーだ!』って、言ったそうよ」


いつか映画の妖精オードリー・ヘプバーンについても

語らせてください。それでは みなさま ごきげんよう!


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