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その4 NANAの続編 7月7日
社長室で私は作品「NANA」についてレクチャーした。
「『NANA』は、二人の主人公の名前です。
誕生日が7月7日だから、そこからとられたと思います」
私も同じ誕生日で、共感を持ってしまったと独り言をした。
「二人のナナは、上京する新幹線の中で、偶然に相席になった。
新幹線は大雪で止まってしまう。
小松菜奈は東京で待っている恋人に電話する。
大崎ナナは隣で聞いていて、自分と同名だと知る。
二人は会話を始めて、二人の年齢が同じだと知った。
大崎は言った。
『同じ年の女が 同じ時刻に上京する。
この偶然に、乾杯しようか』
小松が応えた。
『それ、いい』
大崎は微笑んで言った。
『それから、もうひとつ、
わたしもナナと言うんだ。ななちゃん!』
東京に住む彼氏と同居するため上京する小松奈々。
ミュージシャンとして成功するため上京する大崎ナナ」




