その38 出社しないでいつまで給料をもらえるか
その38 出社しないでいつまで給料をもらえるか
継父は50歳代で引退した。
僕も引退を考えていて、いつやめるか時期を悩んでいた。
会社から引導を渡されたのだ。 辞め時だと思った。
再就職しないで、会社に行かずに給料をもらいながら、
いつまで会社にいられるか試そうと思った。
ヘミングウェイが言った
「人生は飛ぶように過ぎていくのに、
僕はただ流されているだけだ」
僕も従った。
母は継父のように引退して何もしないのは反対だった。
酒が飲めないのに肝臓がんになってしまった。
会社から給与をもらいながら、バイトを始めた。
バイトは会社公認だった。
お店の掃除 ガードマンのバイト、
小さな芸能プロダクションに入って
映画やテレビのエキストラなどを行った。
母がテレビドラマで運良く僕が登場するシーンを見た。
「ちょっとしか出とらん」
「ほとんどカットされるたい。
テレビに出るだけでも奇跡たい」
肩たたきは人事の担当ではなくて、
哲郎が交渉の相手だった。
喫茶店で会うと、
「社長が僕を解雇したい」と、哲郎は言った。
会社は僕を解雇したいが、正当な理由がない。
なんとか僕を説得して、
社員からの自己都合退職に持っていきたい。
会社都合だと、
ハローワーク、雇用助成金申請に問題が生じるからだ。
ネットで調べると、会社が、従業員に対し、
無理に退職を迫ることは「退職強要」で、
法律上は許されない違法行為だそうだ。
だから、哲郎は曖昧にしか言えないのだ。
「条件は?」
「退職金1千万ですかね。
所長だって大企業だったから、3千万以上、もらったでしょう?」
哲郎は何も答えず、1千万の申し出は難しいと、こたえた。
僕の休業は、累計で3年以上続き、給与も支給された。
当然、何度も哲郎からの退職勧奨は行われた。
僕の作品が中目黒キンケロ・シアターで舞台化
「SAKIMORI」 中目黒のキンケロ・シアター上演
清水よし子(ピンクの電話) 七瀬美菜
棚橋幸代(NIHK大河) 他13名出演
予告編YOUTUBE3分
https://youtube.com/watch?v=tgSWb_QA52Q
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問い合わせ 江口信 t-eguti@kamenoco.co.jp