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フェリーニの恋愛映画で必見の二作(道・カビリアの夜)

フェリーニ監督の作品

を観たことがない人が多いですよね。


いきなり彼の後期の作品を観ると

理解しがたい監督像になり、

もうそれで観なくなるかもしれません。


フェデリコ・フェリーニ


「トスカーナの休日」で彼のことを「フェフェ」と呼んでいた。


イタリアの映画監督

「道」「カビリアの夜」「8 1/2」「フェリーニのアマルコルド」で

4度のアカデミー賞外国語映画賞、

1992年にはアカデミー賞名誉賞を受賞

20世紀の映画監督として十指に必ず入る巨匠。


重層的で夢幻の広がりを与える手法を駆使した作品群

世界の映画製作関係者から「魔術師」の異名で呼ばれる。


「8 1/2」という作品の良さは自分にはわからない、

最近「NINE」でリメークされましたね。


「甘い生活」もしかりです。


フェリニーニ作品で好きなのは以下の2作

彼がえがく捨てられる女、「道」と「カビリアの夜」


この2作がなければ私にはただの監督。

彼のほかの作品は私にはピントこない、

ちょっと良いと思うのは映像美だけである。

映像美では「悪魔の首飾り」と「フェリーニのローマ」が印象的で、

バイク団が夜のローマをライトアップして疾走するのは圧巻。

彼は夜をえがくことにこだわっていると思う。

フェリーニ映画には巨乳巨尻の女性が多く出てくる。

猥雑な女たちの娼館や道化師。

フェリーニは

「女性はすべてだ、映画そのものが女性だ」

と言っているそうだ。


フェリーニは10代の頃

商売として詐欺師を

やっていたようで、

「道」や「カビリアの夜」に

出てくる登場人物のような生活を送り、

女性を捨ててきた。


その罪を清めるために、

自分に救いを求める、

懺悔の意味で

この2つの作品をつくったのかもしれません。


フェリーニにとって

純粋無垢な魂

永遠に女性的なるものは何か

彼は映画でみせつけている。


自分は思う

永遠に女性的なるものは何か

母ではないか?

そして 

白痴、知恵遅れの女性、

盲目女性は男性が無視できない存在では?


〇「道」


監督自身並びに他も認める

一番の作品は「道」だと思う。


私はこの作品を最後まで観れないのです、

途中で号泣してしまうんです。


<監督が主演女優に恋したら、その映画は名作となる>


「Shall we ダンス?」の監督周防正行さんは同作品の女優と結婚。


フェリーニ監督は

「道」に主演した女優ジュリエッタ・マシーナ

と結婚して、とりあえず死ぬまで添い遂げた。


ヒッチコック監督は女優と結婚しなかったが

主演女優に恋していたはず。


名作かわからないがロジェ・ヴァディム監督は

ブリジッドバルドー、カトリーヌドヌーブ、ジェーンフォンダ

と出演させて、その3名と結婚している。

 

「道」 はアカデミー賞外国語映画賞


主人公のジェルソーミナは家が貧乏で

口べらしのために旅芸人ザンパーノに雇われる。

彼女は利口で、わざと馬鹿なふりをしていて、

男を立てる女性だ。


ジェルソーミナはザンパーノと旅に出る。

彼女は一生懸命に尽くす(もう泣けてきた)

内妻同然だが他の女と浮気しても文句も言わない。

そんな彼女に、

キ印は「どんな石ころでも役に立つ」と励ましてくれる

ある日、彼は彼女の慕うキ印を撲殺してしまう。

それを目撃したジェルソーミナはショックで気が変になる。

彼に抗議する、わめく 泣き出す。

それがわずらわしくて

彼は彼女を雪深い山道に置き去りにしてしまう。

もうおそらく死んだかもしれない。


いる時はわからないが、いなくなって気づくものがある。

それは愛情。

男は女を愛していたことをはっきりと認識する。

でももう遅い、空気のような存在の女性なのだ。

あってあたり前、ないと絶対後悔する。


ウッデイアレンは熱狂的なフェリーニファンで

彼の傑作「アニーホール」で彼への賞賛ぶりがでてくる。


アレンは名前の通り、

アレン児

過去の作品のアレンジが上手、

彼の作品「ギター弾きの恋」は

「道」のあらすじそのものである。


★「カビリアの夜」~イタリア版「風と共に去りぬ」


これもアカデミー賞外国語映画賞


監督はジュリエッタ・マシーナ(奥様)で

「カビリアの夜」という作品もつくった。


いきなり最初のシーンは男に殺されて、

川に沈むが、そこから生きかえったところから始まる。


好きになってはフラれる女がいる、名前はカビリア。


自分が尽くしたのだから後悔はしないのだろうか。

落ち込むことはない。


そしてまた言い寄る男がでてきた。


いつのまにか男を好きになり、

貧乏な男のために一生懸命に娼婦をやりながら、

お金を稼ぐ。 

「嫌われ松子の一生」と同じパターン。


お金がある程度大金になり、

男に渡すと、

男は彼女を暗い方へ連れてゆこうとする。

そして自分を殺そうとすることに気づく。

彼女は必死でその場を逃げる。

この男は巧妙な詐欺師なのだ。

観客もわからないように素朴な衣装で、

まさにこんな男が詐欺師なのだろう。

純朴誠実という仮面をかぶるのがうまい。


「嫌われ松子の一生」の方は

男に貢ぐが、騙されたと

わかると逆上して殺傷となる。


カビリアはまた男に騙されてしまったと、

なんとも言えない表情をして

もう一度人生をやりなおそうとする。

その夜のシーンは

「風と共に去りぬ」に似ている。

女性のおそるべき生命力。


この2作を観ると、

私も女性への懺悔の気持ちで一杯になる。


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