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その12 君の顔は天下の松下の顔じゃない。
大学は卒業したが、成績が悪く、無名の製薬会社に入社した。
言い訳かもしれないが、就職不況だった。
スポーツのクラブで活動していたか、
有名なゼミに入っていた同級生は
超有名な企業に入社していた。
信夫のコネでソニー、東芝、松下の第一次面接を受けた。
日本全国にある電気屋の子息を集めて面接だけはするのだ。
知能テストをさせて天才レベルの成績だと二次面接に行くようだ。
僕は一次で落とされた。
面接は一応あったが、僕を激怒させた思い出がある。
松下での面接だ。
「君の顔は天下の松下の顔じゃない。何万人も社員のいる我社にはふさわしくない」
と言われた。
日本橋にある無名の製薬会社に入った。
詳細はヴィオロンの妻に書いたので、割愛する。