カサブランカ続編2「あなたの瞳に乾杯」
続編「もうひとつのカサブランカ」その2
★訳者である汀一弘氏のあとがき
本作はアメリカ人の一番好きな映画「カサブランカ」の後日談である。
同時に、主人公リックの由来を説く前日談でもある。
「カサブランカ」はいろんな人に影響を与え
人類の遺産のような映画なのだ。
「カサブランカ」はアメリカ人にとって国宝級の映画だから
著者が言い訳しないと承知しない人が大勢いるのだ。
「カサブランカ」という人類の遺産、20世紀のイコンに、
一人の作家が前と後ろを付け足し、
全く別の、壮大なスケールの小説に仕上げた。
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★続編の概要
ナチス高官ラインハルト・ハイドリッヒの
暗殺事件がハイライトになっている。
ハイドリッヒは
ヒトラーよりもユダヤ人にもっとも恨まれた実在の人物
ユダヤ人問題の最終的解決計画の実質的な推進者
彼は映画「シンドラーのリスト」に登場しますね。
銃で収容中のユダヤ人を撃つ遊びをする若い監視官。
暗殺の作戦に
参加するのがリック(ボギー)、イルザ、ラズロ、ルノー署長で
007で有名なMI6のMも登場する。
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★続編の最後の台詞がいいですね。
「君の瞳に乾杯」へのイルザの答え。
「わたしたちにはいつだってパリがあるわ」。
イルザはリックの首に腕をからめ、
息がつまるまでキスをした。
「乾杯」。
リックはグラスをかかげた。
「あなたの瞳に乾杯」とイルザ・ブレインは言った。