(3)すぐ消えるプロデューサー
スポンサー会議で
「400万を削減しよう」
と決めた。
舞台劇スタッフの相場は80万らしい。
400万を100万にするために
スタッフ・ギャラの詳細が知りたい。
演出家にラインしたら、
演出家は「明日にも詳細をメールする」と応えた。
見込みでもいいからと知りたいと言ったが
一週間経過しても出てこない。
プロデューサーは、
しばらく葬儀や遺産相続で
動けないと言ってきた。
しばらくとは数ヶ月だった。
プロデューサーは監督を紹介しただけだった。
役者もスタッフも紹介していない。
スポンサー全員が降りてしまった。
理由はプロデューサーが降りたと判断したからだった。
「紹介した監督は偽者だ」と某スポンサーが言った。
演出家から脚本ができたと言ってきた。
拝見すると、演出家は原作者(=スポンサー名)の名前を間違えていた、
僕は指摘したが、
「それがどうした?」と無関心だった。
どんな偉い人でも、首相でも天皇でも間違えたら
即座に「ごめんなさい!」と謝罪すると思う。
僕は「こんなお偉い方には、ついてゆけない」と決心した。
身分が違いすぎる。
僕は抗議もしないで黙って平静を装った。
210000円を払っているから、横暴にでたのだ。
プロデューサーが降りて、
スポンサーが降りて資金が出せない。
監督も偽者だと言われて、
来年の5月の公演を12月中に白紙宣言した。
業界では「バラス」と言うらしい。
続く