映画「カサブランカ」はやっつけの駄作で良い
「カサブランカ」の原作である戯曲「みんながリックの店にやってくる」
は、アイリーンの強い勧めで、ワーナー・ブラザーズのプロデューサーのハル・ワリスに、
戯曲の権利を二万ドルで購入させた。
アイリーンはニューヨークのワーナー・ブラザースにフリーランスとして出入りしていた。
戯曲購入後は、ハリウッド本社で、ハル・ワリスの下で脚本編集者として働く。
以後25年にわたって脚本の発掘と推薦に従事し、
『マルタの鷹』や『愛の勝利』の原作を発掘した。
バート・ランカスター、カーク・ダグラス、ロバート・レッドフォードなどを世に出した。
ワーナー・ブラザースでは連合軍が北アフリカのカサブランカ侵攻のプロパガンダ映画として
好材料だと思った。
戯曲『みんながリックの店にやってくる』の映画化は、
連合軍がカサブランカ侵攻する一九四二年十一月二十六日に上映日が決まった。
国民の士気を高めるプロパガンダ映画なので米政府から資金が出る、
戯曲は四二年一月に購入されたばかりで、脚本はできていない。
九か月もない。
ワーナーブラザーズでは、映画は駄作でかまわない、
やっつけの、ただのプロパガンダ映画という認識となったと思う。