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フェイドアウト断章  作者: 石藏拓(いしくらひらき)


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映画「ある日どこかで」の製作の裏側 その4

監督は映画を作るにあたって、

ヒッチコックを手本としたと言ってます。

ヒッチコック曰く「観客には意味のある目撃者となる権利がある」

二人が再会する場面では主人公より先に、常に観客がみつけて欲しい。

主人公より先に再会することを知って欲しい。

観客には映画の中の人物より一歩先にいて欲しいのだ。

外から映画を観るではなくて、

観客は映画の一部となり、互いに影響しあえる。


クリストファー・リーヴが女優ジェーン・シーモアの写真を見て

感動する場面は本番まで見えないように写真は布で隠されていた。


タイトル「時を戻れ」は、悪くはないが古臭い感じがするので、

観客が歓迎しそうな「Somewhere in Time」という題名に変更された。


予算がないのに、映画音楽の巨匠ジョンバリーが

友人ジェーン・シーモアの依頼で音楽を引き受けた。

ジョンバリーがいないと感動は半減したでしょう。

最初のイントロの曲から、

素敵なラブストーリーが始まる予感をさせてくれます。

「ビギン・ザ・ビギン」に似ていますが、さすがジョン・バリーです。

初期の007シリーズ、「野生のエルザ」、「真夜中のカーボーイ」、

「フォロー・ミー」、「愛と哀しみの果て」など名曲が多いですね。


ラフマニノフの「パガニーニのラプソディー」は、

原作者マシスンがマーラーの曲をイメージしたといいます。

マーラー№10を映画に流してみましたが、

ジョンバリーはテンポが違うと

ラフマニノフの「パガニーニのラプソディー」を提唱しました。

ピタリと本作と合致し、映画の象徴的なラプソディーとなりました。


監督はフィルムの使い分けをしました。

現代はコダック社製、過去はフジ社製。

原作者マシスンが髭剃り痕に驚く客で、カメオ出演しています。


タイムマシン映画ならではのパラドックス問題は常に批評が上がります、

本作では、次の批評で盛り上がりました。


1.過去に戻る方法は自己催眠となって。

観るのをやめたいほどだったそうです。

次の展開になると、感動が戻ってきたので、

自己催眠はなかったことにしようと片目をつぶったそうです。

懐中時計を開けると過去に戻る方がまだいいそうです。


2.衰弱死する人間がいるでしょうか?

過去に戻る努力をするが、懐中時計がないと過去に戻れない。

原作では不治の病にかかったらしい。

衰弱死の方が、感動が増すかもしれない。

作家らしくないマッチョな主人公が衰弱死するだろうか?


3.にわとりは卵から?

懐中時計をもらって、過去に戻ります。

彼女が手にした時に、彼は現代に戻る。

ヒッチコックだったら、矛盾のヒントを与えたかもしれない。

宿泊名簿に既に彼の名前があるのも不思議でしたが、考えれば納得したそうです。


今回は映画「ある日どこかで」の製作の裏側をお伝えしました。

皆さん!ごきげんよう。


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