アンクルからの手紙
私は自宅に戻って母の資料部屋に入った。
映画「カサブランカ」はアメリカ映画の国宝である。
1998年に、アメリカ映画協会(AFI)が、映画「カサブランカ」をアメリカ映画ベスト100の2位に選んだ。
1999年には映画「カサブランカ」をアメリカ脚本家組合(WGA)が「偉大な脚本歴代ベスト101」の1位として選出している。
私の母が関わっていると知ると、調べに没頭してしまう。
母への手紙が見つかった。
手紙を読んでいると、母の叔父からの手紙だった。
拝啓!愛理。元気かい? 国吉叔父さんだ。
私はなんとか殺されないでいる。
日本軍の真珠湾攻撃後は
ニューヨーク日本人会で公民権運動をしている。
ニューヨーク在住日本人美術家委員会の名で声明を出し、
日米戦争に際してアメリカを明確に支持すると表明した。
表明には保忠蔵やトーマス永井、鈴木盛、ロイ門脇といった在米日本人・日系美術家が加わったよ。
ルーズベルト大統領やニューヨーク州知事や知人に送った。
なんとか今の所、
ニューヨークでは日本人は強制収容所に入れられないでいる。
だがいつ日本人収容所に入れられて殺されるかわからない。
おまえのお兄さんだが。
今サムとカサブランカにいる。
東京ジョー親分の下で働いていたが、
リックが敵対マフィアとの抗争に巻き込まれて、
リックが敵のボスを殺してしまった。
二人を逃がすために、ホリーをモデルにしたアフリカ撮影旅行に同行させた。
二人はカルフォルニア生まれだから、
アメリカでは強制収容所行きだが幸い免れている。
マフィアにも追われているので米国には戻れない。