キララ
スキーツアー参加メンバーで知っているのは、
オデキ、オービットとそしてキララだった。
キララという女性は早稲田大学のクラスメートで、キラキラして派手なので、
そう、あだ名されていた。
なぜ、ここで会ったのか、お互いにビックリしてしまった。
「キララって、俺の好きなタイプだ。 可愛いし、話していて楽しい」
とオデキが言った。
キララはとにかく話が面白いし、黙っていない。
常にその場で何かおしゃべりしていて、みんなを楽しませる。
キララは僕にあだ名をつけた。
「私サー、クールさんと、ここで会うとは思わなかったわ。
私がサー、クールさんと初めて会ったのは大学の試験の時ね。
私がサー、そのテストの問題に悩んでいたら、隣にクールさんがいて。
私がサー、困った顔をしていたら、クールさんが私に回答の内容を、こそっと見せてくれた。
試験が終わって、お礼を言おうと思ったら。サーっと行ってしまった。
大学ではクールさんって、私たち早稲田ガールに目もむけない」 とキララは言った。
「キララ、それは誰かと勘違いしていない?」と僕は言った。
「そんなことないわ」
「でも、僕にはあまり記憶ないよ」
それは無意識にやったかもしれない。
僕ならやりかねない。クラスメートと異性トラブルを起こすと、あとあと厄介になる。
クラスメートの女性には関わりたくなかったので、クールと言われていたのかもしれない。
キララから知った。
中学高校でもそうで、クラスメートの女性というと、僕には家族と同じような感じがしていた。
もしクラスメートの女性と交際するとなると、僕の元来の恥ずかしがり屋の面がでてくる。
なぜか、クラスメートが見守る中での交際に慣れていないというか、
落ち着かない。
恋愛がガラス張りというのが、僕には、なじめなかった。
それでクラスメートの中ではクールな仮面を被っていた。
オデキが言った。
「今日、キララとスキーに行ってアプローチしたけど、
おまえの話ばかりしている」
「それは俺がクラスの女性とは話さないからだよ。
どんな男なのか知りたいだけだよ」
キララは、大学でも男子にモテモテだった。
しかしなぜか、僕がキララを素通りするので、
キララは気になっていただけだろう。