リョウコとの関係
一月十一日
昨年のクリスマス会は、リョウコが寮生活なので、友人宅で行った。
友人が、僕とリョウコの性格がそっくりだと感じたそうだ。
星座も干支も同じで、何か二人の考え方とか、趣味嗜好が似ているそうだ。
リョウコと電話で、お互いの性格をひとつひとつあげていった。
例えば旅行は、行くプロセスがめんどうである。
自分の確固たる信念ポリシーがないものには、相手に迎合、影響されやすい。
例えば、黒系統の洋服が好きだったが、雑誌でベージュの服が良いと思うと、
ベージュに、こだわるようになる。
人から多くの影響を受けるが、吸収するのも速く自分流にアレンジしてしまう。
一人でいるのを好む。人から言われても反応が遅い。
ビックリさせられたり、激怒させられてもすぐに反応できない。
時間が経過してから、じわっと反応する。
リョウコと話しているうちに、僕と似ていると思った。
似た者同士で、プラスマイナスの関係ではないのだ。
だから出会った途端に自然になじんだのだ。
リョウコは恋愛のリングに上がろうとしない。
僕もリングに上がれない。
兄と妹の関係と言うが、 割り切れない複雑な気持ちにさせる。
リョウコは僕を恋人のように言っているかと思うと、
ずばりクールな関係だと言うし、どっちつかずで、お互いに受身のままである。
僕の理想のタイプじゃない。タイプなら僕は積極的に求愛する。
リョウコも僕が理想のタイプじゃないのだろう。
でもこんな関係だと、どんどん気になる存在になっていく。
僕の中で恋人が欲しいという願望がそうさせているのだろうか。