オデキ暴走前夜
十一月二一日
ミワコは泊まって朝をむかえたが、ミワコは帰ろうとしない。
Sをしてしまうと鎧がとれて、本音も出てきて、
リラックス状態の関係になったのだろうか。
電話が鳴ると無断でミワコが出てしまった。
奈美恵からだった。
「連れ込んでいるの?」と奈美恵から嫌味を言われた。
ミワコの嫌がらせなのだろうか?
オービットからの電話なら、ミワコは嫌味を言うつもりかもしれない。
ミワコはオービットから電話があると思って帰れないようだ。
僕はオービットと電話で話したことはない。
僕が「帰れ」と言える性格ならいいが。
命令されるのが嫌いな僕は、人に命令するのも嫌いなのだ。
ミワコは僕から離れずに、オービットの情報をさぐっている。
今日は青山「ウィスキー・ア・ゴーゴー」のダンパに行く予定。
僕はミワコを連れて行く。
ダンパで久々に早稲田の相棒・オンワードと会う。
スローな曲が流れると、ミワコはオンワードと初めて会ったばかりなのに、
濃密なチークをしだした。
ミワコは、自棄になっているのか?
僕に濃厚にキスしているのを、みせつけて、ミワコは何を考えているのか?
僕がオービットの彼女だと知っているのに、食べたと怒っているのか?
オービットのお手つきなど、何も知らなかった。
ミワコは知っていたと勘違いして、僕を許せないのだろうか?
オンワードにベッタリで、完全に僕は無視されてしまった。
僕も女性関係は乱れているのだから、文句はいえないが。
ミワコに嫌われてしまった。
とにかく知人がからむと、男女関係はおかしくなる。
途中からオデキがやってきた。
ダンパは夕方終わり、僕らはミワコと新宿駅で別れた。
オデキとオンワードの三名で「新宿クレイジーホース」に行く。
今夜はナンパする気が起こらなかった。
連夜のナンパの疲れがある。
奈美恵に嫌味を言われ、ミワコでは自己嫌悪になり、
テンションが下がると、どっと疲労感が襲ってきた。
オデキとオンワードはナンパが成立したようだ。
僕は彼らを残してひとりで帰宅した。
今夜くらい静養したい。
女性が順番に僕の前にやってきてくれればいいのだが。
例えばある女性と別れたら、数週間後に次の女性が。
でもそんなことはありえない。
いつも来るときは、手のつけようのない忙しい状態だ。
来ないときは、さっぱりだ。
人生良いことも悪いことも重なり集中する。