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ヘミングウェイの「氷山理論」

彼氏がいる女性とばかり、Sをしている。

女性には都合がいいのだろう。

僕は束縛しないので、女性も、とまどうかもしれない。

女性がしたい時に、Sはしたいようだ。

Sで昇天する女性を見るのが好きだ。、

恋愛は二番目の相手が長続きしてフェイドアウトも楽にできそうだ。

ナンバーワンよりナンバーツーが長続きするという出世論にも似ている。


十一月十九日

池袋の喫茶店「耕路」で、リョウコがヘミングウェイについて、話してくれと言う。

リョウコは、お洒落というか、凝り性で、コート、ベレー帽、洋服、バッグ、イヤリング、マニュキアまで、 全部、緑で統一していた。

僕は、LIZとかROPEの服が似合う女性が好きだったが、

リョウコはまったく違っていた。

赤ずきんちゃんが着そうな服の個性的なファッションだった。

 

以下のような話をした。

ノーベル文学賞受賞のヘミングウェイは、

小説を書く過程で 百回以上書き直し、

贅肉を削ぎおとし、簡潔化した。

代表作は「武器よさらば」。

悲しんだのか、楽しかったのか、などの思いは一切書かない。

内面描写をしない。

形容詞の少ない簡潔な文体だ。

ヘミングウェイは自分の文体を「氷山理論」と呼んだ。

「氷山の威厳は、水面下に沈む、八分の七にある」と、

省略の有効性を唱えた。

文字で書かれていない部分が、より鮮明になる。

セザンヌのように書きたいと言っていた。

言外で表現する。なぜか俳句に似ている。

すべては語らない。

ヘミングウェイの文体は真似ができないようで、

同じような作家は現れないと研究者は述べている。

僕が惹かれる作品は「日はまた昇る」だ。

ロストジェネレーション(失われた世代)文学の元祖と言われる作品。

明日のことを考えない無鉄砲、刹那的生き方をした若者たちを描いている。

すべての旧価値観を否定し、酒や享楽に溺れる「自堕落な世代」とも言われ、

第一次世界大戦で貧乏くじを引いた若者世代とも、戦争の後遺症を背負った世代とも言われている。


僕らと同じ世代かもしれないと思った。

僕らの世代は三無世代と言われた。団塊世代と真逆。

無気力・無関心・無責任と言われた。


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