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お金で女性を売るケイオウ生〜太陽の季節

十一月七日

昼から大妻女子大でオデキと合流してクラブ入会パンフレットを配る。

僕は、オデキに奈美恵を持ち帰ったことを話すと、オデキは驚いていた。

ほとんどR女子大の自治会の女性は食べられていたが、

奈美恵は、まったく彼らのノーマークで非常に真面目そうなタイプに

思えたそうだ。

意外にS好きな女性は処女のフリをする。

夜はオデキとクラブに行った。ナンパがワンパターンになっている。


十一月八日

図書館に行き、石原慎太郎と谷崎潤一郎の本を読んだ。

以前読んだ谷崎の本で、ケイオウの学生が登場した。

調べると、「痴人の愛」だった。

主人公は二十八歳の主人公はカフェでナオミという美少女に出会う。

ナオミはまだ十五歳で、カフェで女給見習いをしていた。

主人公は将来ナオミとの結婚を考えて、自分の家に住まわせて、

学校に行かせた。

ナオミは二人のケイオウ大生と知り合い、両方ともに関係を持つ。

時代は大正時代だ。

谷崎は、ケイオウを、女たらしでハイカラなボンボンが通う大学と書いている。

大正時代からケイオウにはプレイボーイの伝統があるのだ。

ケイオウの校歌の替え歌がある。

「ワイセツの意気、高らかに、さえぎる者、なきよ~ 

テイノー!テイノー!三田の色魔!テイノー!」

ナンパの伝統がある。

おこぼれにあやかる僕は自己嫌悪に陥ったが、あやかるしかない。

次に石原慎太郎の作品を調べた。

1956年に

「太陽の季節」で、芥川賞をとり、作品から太陽族という言葉が一世風靡した。

湘南ボーイの原点だ。

主人公は龍哉と言って、ケイオウボーイで女性にモテモテだ。

英子と知り合い、気になる存在となる。

兄の道久や女子大生らと油壺に行った時、

龍哉は女子大生と、英子は兄の道久と関係を持つ。

兄弟は賭けをする。

兄の道久が、まだ英子が龍哉を愛しているなら、五千円をあげるという。

昭和31年頃の頃だ。大学の初任給が一万円。

龍哉は賭けに勝つけど、五千円で英子を道久に売る約束をして、

志賀高原に遊びに行ってしまう。

5千円で道久に売られたことを知った英子は、お金は自分で道久に返すと言う。

道久と関係をもつたびに英子は龍哉に送金する。


英子は龍哉とも関係があって、兄弟どんぶりの関係、

妊娠してしまう。英子は龍哉の子だと主張して産むと言う。

龍哉は兄の種かもと堕胎しろと言う。

英子は帝王切開したが、胎児は死亡した。

英子は腹膜炎を併発して死んでしまう。

死んで、英子は俺に復讐をしたのではないかと、龍哉は思う。

葬式の日、龍哉は涙を浮かべながら香炉を握ると、

英子の遺影写真に叩きつける。


僕やオデキの行動は大正時代から変わらないと感じた。

平安時代の貴族でも乱交は横行していた。

「源氏物語」で、光源氏の妻が不倫して不義の子を産む。

産まれた後に、気づく光源氏。

光源氏は自分の父の複雑な思いをした顔を思い出した。

父の新たに産まれた子供は、光源氏の種だった。


帰宅して仮眠していると二十時頃だった。

奈美恵がやってきて、起こされる。

奈美恵は、彼氏がいるのに、なぜ僕にSを求めるのだろう? 

不思議に思いながらも、応じてしまう。


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