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女性の親友
十月三十日にリョウコと初めてデートする。
朝から雨でコートがいるくらいに寒かった。
渋谷駅で待ち合わせして、パルコの中にある喫茶店に入った。
リョウコは、初めからズバリと僕に言った。
「私は、とても浮気っぽいの。セックスは、したい時にするの」
「わかった。僕も失恋したばかりなんだ」
何か話さなければと気にかける必要はない。
普通に楽にしていられるのだ。
リョウコがズバリと言ったのは「クドクな」ということだ。
肉体関係じゃなく友人関係を希望している。
僕も親友になれそうだと思った。
中学生の頃から長時間話せる女性。
学校の一時間目から授業が終わるまで、
授業をそっちのけに、話せる。
話が足りないとうちに遊びにくる。
勘違いをしてはいけない。
女性の親友なのだ。
女性は話を聞いてくれる男を求める。
中学生で気づいて以来、女性の親友というジャンルを持った。
僕は男性の友人より、女性の親友の方が多かった。
恋人じゃないのだ。相談相手なのだ。