プロのバンドへ
早稲田祭でのコンサートが終わり、コンボは解散した。
次のバンド編成の話がない。おそらく来年の四月になるだろう。
バンマスの遠藤大策氏や主要メンバーが四年生で、卒業する。
お別れもなく、メンバーとフェイドアウトした。
「キーボードを募集している」と、下宿先の丸谷氏が言った。
「僕のキーボードはプロ級じゃないよ」
「Led Zeppelinの『Thank You』が弾ければいいそうだ」
「『Thank You』なら弾けるよ」
バンドメンバーは、ギター(新宮広海、大賀ケン)、ベース(三島良一)、
ドラム(小田切慎一)、パーカッション(井上治夫)と揃っていた。
ドラム以外は同じ松江出身だった。
マネージャーもいて、プロのバンドだった。
大学の学園祭でコンサートをしながら、
バンドのレパートリーだった
サンタナのナンバーを練習した。
十二月からクラブでの演奏となった。
新宿歌舞伎町でオーディションが行われた。
どのクラブで演奏するか、各クラブのオーナーが見に来ていた。
オーディションでの演奏曲はサンタナの「ブラック・マジック・ウーマン」で、
僕の担当は歌とキーボードだった。
書籍に続く