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飛行船
出会ってから僕は、ミドリの地元のロック喫茶を案内してもらった。
中央線沿いにはロック喫茶が多かった。
「飛行船」という音楽喫茶にミドリは僕を案内した。
飛行船は、レッド・ツェッペリンの最初のアルバムの絵だ。
レッド・ツェッペリンというバンド名は「鉛の飛行船」という意味。
レッドは赤じゃなくて、鉛の「lead」からAをとって「LED]にした。
僕はミドリに語りだした。
ドラム担当ボーナムのドラムの叩き方はクレイジーで、
三連符の一拍目を抜かし、「頭抜き3連」でドラムを叩く。
高校の時にMIYAが「モービーディック」の演奏で悩んでいた。
ミドリは黙って聞いていた。
なぜロックは、英国のバンドが主流になったか話した。
米国のミュージシャンはドラッグで次々に死んでいった。
ジミー・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、
ビートボーイズのヒットメーカーも廃人になってしまった。
ミドリは勉強になると言ってしきりに感心していた。