大蛇山とシゲル
梅野氏 原文 修正中です。
大牟田には大蛇山祭りというものがある。
毎年7月に行われる大蛇山祭り。
俺の心をとりこにする。
夢の中にまで出てくる。
祭り仲間のシゲルが夢にでてきた。
『え?何でおると?何で?』
『さっきからおるやっか。今頃何ば言いよっとか!』
シゲルの相変わらずの毒舌が聞こえた。
同級生のシゲルは、大蛇山祭りでは俺には相棒的祭り仲間だった。
2020年の7月だった。
祭り仲間のケイシから電話があった。
『シゲルが…』と、普通のしゃべりじゃない。
シゲルは長い間、病と闘っていて、
入院もしないで、自宅で逝ってしまった。
シゲルが闘病していたなんて。
俺も含めて周りの仲間は誰も知らなかった。
人知れず、一人きり病と闘っていたのか。
どこまでもシゲルらしい。
シゲルは元気だった頃の様に面倒臭そうに顔をしかめてぶっきらぼうな態度で俺にこう言った。
「向こうの世界から、たまに帰って来られるとた!」
『へ~、そういう事が出来るとたい!』
シゲルとの再会を楽しんでいると、俺は目が覚めた。
またシゲルと会いたい。
次の夢に出て来てくれ。
翌日の夜はシゲルが好きだった嶋大輔の『男の勲章』を聴きながら
俺は夢でのシゲルとの再会にひとり乾杯した。