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さよならコロンバスその2〜ヴィオロンの妻
六本木に住んで外資系に勤めて、ロックバンドもやっている。
妻が求婚されたと友人に相談すると、友人は結婚詐欺師だと言った。
女性はステイタスより、些細なものに反応するのだ。
デートで僕が着ていたシャツがお気に入りで、妻に取られてしまった。
十年経っても妻はよく着ていた。
チャコールグレイのタペストリー柄のシャツ。フランスのデザインだった。
「僕よりシャツにほれたんだ?」
「女って、そんなところあるのよ」
「まるで『さよならコロンバス』のようだね」
「読んでない」
「女性って男本人より着ている服とか靴だけで別れてしまう話だよ」
つづきは アマゾンから同題で 出版




