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夏目漱石 三四郎 ミネコ登場

夏目漱石 三四郎 みねこ登場

   

女とは京都からの相乗りである。

乗った時から三四郎の目についた。

第一色が黒い。

     

三四郎は九州から山陽線に移って、

だんだん京大阪へ近づいて来るうちに、

女の色が次第に白くなるので

いつのまにか故郷を遠のくような哀れを感じていた。

それでこの女が車室にはいって来た時は、

なんとなく異性の味方を得た心持ちがした。

    

この女の色は

じっさい九州色きゅうしゅういろであった。

**


里見美禰子 さとみ みねこ 登場

英語教師広田の引越しの手伝いに行く三四郎

  

椽側へ腰をかけた。

  

かけて二分もしたかと思うと、

庭木戸がすうとあいた。

   

そうして思いもよらぬ池の女が庭の中にあらわれた。

   

二方は生垣いけがきで仕切ってある。

四角な庭は十坪に足りない。

    

三四郎はこの狭い囲いの中に立った池の女を見るやいなや、たちまち悟った。

――花は必ず剪きって、瓶裏へいりにながむべきものである。


この時三四郎の腰は椽側を離れた。

女は折戸を離れた。

「失礼でございますが……」

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