小説ノルウェイの森 完全ネタバレ その3
トオルは嘆く。
「私のことをいつまでも忘れないで。
私が存在していたことを覚えていて」と直子は言った。
そう考えると
僕はたまらなく 哀しい。
何故なら直子は
僕のことを愛してさえいなかったからだ。
*
直子はレイコさんに自分の服を全部あげると遺言していた。
直子の服を着たレイコさんをみて、トオルは嬉しかった。
2人だけで、直子の葬式を行うことにする。
お葬式は楽しい思い出にするために、
レイコさんはギターを弾いた。
そして 「ねえ、ワタナベ君、私とあれやろうよ」
「不思議ですね。僕も同じこと考えてたんです」
そしてお別れのSを行う。
Sを終えた後のレイコさんの言葉。
「私もう一生これ、やんなくていいわよね?ねえ、
そう言ってよ、お願い。
残りの人生のぶんは、
もう全部やっちゃったから安心しなさいって」
レイコさんが北海道に旅立つ日に、
トオルは上野駅まで送って行く。
レイコさんは言います。
「私のこと忘れないでね」、
「あなたと会うことは二度とないかもしれないけれど、
私どこに行っても
あなたと直子のこといつまでも覚えているわよ」、
トオルがレイコさんの顔を見たら、彼女は泣いていた。
最後にレイコさんは
トオルに「幸せになりなさい」、
「私、あなたに忠告できることは全部忠告しちゃったから、
これ以上もう何も言えないのよ。
幸せになりなさいとか。
私のぶんと直子のぶんを
あわせたくらい幸せになりなさい、としかね」