小説ノルウェイの森 完全ネタバレ その1
主人公はトオル。
京都の高校時代に
親友キズキと、その彼女・直子がいた。
キズキが自殺してしまう。
*
トオルは早稲田大学へ。
直子と再会する。
トオルは直子の弱み?につけ入り
関係を持つ。
ここからミケランジェロ・アントニオーニの映画「情事(1960)」
と同じような愛の不毛に陥る。
映画「情事」では女性2名、
アンナとクラウディアとサンドロ(男)の三角関係で、
男とアンナが恋人同士だ。
3人が旅行した先でアンナが失踪してしまった。
二人はアンナを探すうちにSしてしまう。
アンナは完全に行方不明となり、
二人は常にアンナの影を背負ったままの愛しかたをする。
ある夜、酔った男は見知らぬ女を抱いた。
不安の一夜を明かしたクラウディアは
そんな男の姿を発見して絶望する。
しかしサンドロの方もその気持は同じだったにちがいない。
他の人とSする気持ちが理解できたのだ。
男が戸外のベンチで泣いていると、
その肩をうしろから、おいかけてきて、
そっと抱いたのはクラウディアであった。
* *
この一人の影におびえる喪失感がただようSは、
直子の方に痛烈にある。
直子は言う。
「私はあなたが考えているよりずっと深く混乱しているのよ。
どうして私を放っておいてくれなかったのよ」
キズキの影から逃れられないのだ。
僕なら直子とはSしない、そんな気にならないからだ。
しかしトオルは直子とSして恋愛をしていこうと思う。




