マディソン郡の橋(4)クリントイーストウッドの監督スタイル
クリントイーストウッドは言う
「人生にも映画にも完璧はない。
最初のテイクがすべてだ」
メリル・ストリープはクリントイーストウッド映画に初出演して驚いた。
「常に、ぶっつけ本番でやるの?」
「ほとんど、そうだ。
最初のテイクを使う。
二度撮影することはない。」
と関係者が言う。
「それは嬉しいわ
同じ演技はできないもの」
とメリルが答えた。
監督はアクションとか、カットとか言わない。
「いつでもいいよ。始めようか」
と小声で言う。
演技に注文をつけることはない。
役者に演技は全面的に任せる。
お互いが知り合う前は、
画面のアップはしない。
親しくなるまでは
距離感を持たせるロングショットにする。
★撮影場所で、もめた
本作のロケーションは
全て小説に描かれたマディソン郡の実在の場所で行われた。
ロケーションで対立。
実在の橋を使うには、
一部撮影のために
橋を壊さなければならないので
セットで行うべきたと。
クリントイーストウッドは、この実在の橋に、
こだわり、歴史協会と話し合い、
橋を再び修復すること、
そして他の橋も修復するということで
撮影の許可をえる。
しかし撮影終了後に、
橋は焼失して、
今あるのは再建された橋である。
撮影当時、日本人観光客が
何台ものバスで観光に来ていた。
撮影日は、お引き取りいただいた。
日本人らのお目当てはクリントイーストウッドでなくて、
原作の聖地めぐりで、
原作本をバイブルのようにかかえていたそうだ。