明日も同じように
朝。
目が覚める。
声はしない。
天井だけがある。
しばらく、そのまま横になっていた。
起きる理由はない。
遅れる理由もない。
体を起こす。
顔を洗う。
制服に袖を通す。
上着を持たなくなっていた。
それだけで、季節が少し進んだことがわかる。
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食堂。
同じ席。
同じトレー。
同じ味。
向かいの椅子は、今日も空いている。
箸の音だけがする。
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授業。
板書。
端末。
チョークの音。
ページをめくる音。
誰かの咳払い。
それだけで、時間が過ぎていく。
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昼。
校舎の窓から、空を見る。
雲が高い。
白い光が、少し強い。
夏が近いのかもしれないと思った。
それ以上は考えなかった。
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夜。
食堂。
部屋。
シャワー。
ベッド。
同じ順番で、一日が終わる。
何も起こらない。
何も変わらない。
それなのに、
時間だけが進んでいる気がした。
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別の日。
洗濯をする。
別の日。
本を一冊読む。
別の日。
食堂で、いつもより少し遅くまで座っていた。
別の日。
明日の時間割を、初めて自分で確認した。
小さなことばかりだった。
誰にも気づかれないくらいのこと。
でも、
自分で決めて動いた気がした。
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夕方。
部屋に戻る。
窓の外が、少し赤い。
どこかで、蝉が鳴いている。
細い声が、長く続いていた。
いつのまにか、そんな季節になっていた。
机の上に、制服を置く。
しわを伸ばす。
明日の分のシャツを出しておく。
それだけの準備。
誰に言われたわけでもない。
ただ、そうしただけだった。
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ベッドに座る。
静かだった。
冷蔵庫の音もない。
食器の音もない。
足音もない。
声は、どこにもない。
それでも、
もう、
少しだけ慣れてしまった気がした。
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電気を消す。
暗闇。
目を閉じる。
明日も、
たぶん、
同じように朝が来る。
それでいいと思った。




