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とり憑きたるは神か悪魔か  作者: Alice Lee


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第十四話 一型糖尿病の旦那を持つ妻の悩み




 結婚生活は実に新鮮だった。始めの頃は妻も食事に気を使い、勉強をして料理を頑張ってくれた。


どちらかと言えば友達のような夫婦だったと思う。


ニコイチの借家を借りて、裕福ではないけど僕的には楽しい生活だった。


 ある日、僕は低血糖を起こしてしまいかなり不機嫌な大度を妻にとってしまった。


低血糖を起こすとイライラしがちだし、伝えたいことが上手く伝わらないと癇癪を起こすこともある。


端から見れば、何このひと怒ってんの、おかしいんじゃない?


って思われて当然。


つまり怒りっぽくなる。


妻もその対応に困り果て、とある晩には二階の窓から屋根に出て一人泣いていた。


なさけない、と思った。


妻にではなく、自分自身に。


頼れる妻が出来たは良いが、辛い思いをさせたことに後悔した。


一型糖尿病患者は常に甘いものを持ち歩いておくべきなのだけれど、完全に低血糖を防ぐことは困難だと思う。


その上での結婚生活なのだから、妻には低血糖時の対処の仕方を教えておくべきだった。


結構、糖尿病だからとことんカロリーは控えめにしなきゃ、って考えが昔は多かったし、糖尿病だからそんなもの食べちゃ駄目でしょ、って言われることもあったけど、運動量に合わせ栄養的にバランスのとれた食事がやはり大切な訳で。


食物繊維をたくさん摂れば糖の吸収が緩やかになるって言われるけど、食直前にインシュリンを射つと血糖の上昇が追いつかず食べたのに低血糖を起こしてしまうという困ったちゃん現象も出たりします。


今ではカーボカウントとか摂取する糖質の量にあわせてインシュリンの量を調整するのが主流になってますが、昔はそのような考え方がなかったから必要な栄養素それぞれでカロリー計算して食べるよう指導されてたと思う。


でも妻は良くやってくれていたと思います。


あと、子作り。


いくら一型糖尿病は遺しないと言われても、中には一型糖尿病の子供さんが産まれたというレアなケースも耳にしました。


妻もそれは気にしていて、通院していた病院の医師に直接質問なんかしていましたね。


医師ははっきりと遺伝はしません、と説明して下さりました。


たぶん、妻以上に相手側のご両親とか心配されるかと思います。


そんなときは、医師のコメントを聞いてもらえば少しは安心されるんじゃないでしょうか。


さてさて、僕の場合、男の子と女の子と一人づつ子供を授かりましたが、二人ともなんの問題もなく育ってくれました。


でもね、例え一型糖尿病が遺伝したとしても、自分が先生になって教えてあげればいいのですから心配することはないのです。


だって、一番の理解者になれるのですから。








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