紅蓮の街を歩く

帝国の最果てに位置する自由都市アルデル。
そこは商人、傭兵、流浪の民が入り乱れ、金と力だけが生き残りを決める無法都市だった。

赤髪の女性剣士、リシア・ヴァーネルは、その街の裏通りを孤独に歩く。
かつては傭兵団に所属し、仲間と共に戦った。しかし裏切りにより、彼女の心には深い傷と孤独が残った。

ある夜、リシアに舞い込んだ依頼は一見単純――「失われた書庫から古代の武具を取り戻す」というもの。
しかしその武具は、帝国全土の均衡を揺るがすほどの秘密を秘めていた。

狡猾な商人、無慈悲な貴族、そして己の過去と対峙しながら、リシアは剣と知恵だけで街を渡る。
彼女の選択一つで、街は燃え上がるか、生き延びるかが決まる――。