花子さんの願い事
初めまして! レイと申します。
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「ここだ! ここのトイレが「個室トイレに叫び声を上げて立てこもってる女子がいる」という通報があったトイレだ!」
「んじゃ、警察官の皆さん、よろしくお願いしまーす。」
桜はそう言い残し、トイレから離れようとする。
しかし…
「なあ君、君が通報者だよな…?」
「はい。 どうかされました?」
「誰もいないぞ? もしかして悪戯か?」
「え…? いや、すぐそこにいるじゃないですか。 青いスカートの女の子。」
「いやいや、誰もいないぞ…。」
桜と警察官は少し慌て始める。
桜にとっては、目の前にいるはずの美少女が警察官には見えてないという異常。
警察官からすれば、悪戯で警察を呼ぶような子ではなさそうな見た目をしているのに、悪戯としか思えない感情。
「ふっふっふ。」
トイレの花子さんが不敵な笑みを浮かべる。
「あーはっはっは! 驚いたか! 桜! これがトイレの花子、私の力よ!」
花子さんが胸に手を当て、誇らしげに言った。
「まったく。 何かの聞き間違いだったんじゃないのか? 次からは気をつけるんだぞ。」
「え、いや、そこにいますって! ちょっと…。」
警察官らは立ち去った。
「お前、何者だよ。 本当にトイレの花子さんなの?」
「そうとも! 1950年代から徐々に噂され、1990年代のオカルトブームでさらに世間に知れ渡った有名人、トイレの花子さんよ!」
「…。」
桜は花子さんの頭からつま先まで一度一通り目を通した。
「夜更かししすぎたか。 家帰ろ。」
桜はUターンしてトイレから離れ、自身の教室へと荷物を取りに戻った。
「な!! うそ。 まさか、まだ信じられてない?」
花子さんは立ち止まり、少しずず離れていく桜と、桜の体の動きに沿った規則正しい温かい影をじっと眺めていた。
「いやだ…。 せっかく見つけてくれたのに。 話せたのに。 そんなの…嫌!」
花子さんは走り出し、「トイレ」から飛び出した。
桜は既に、教室の付近までたどり着いている。
数十年ぶりに走る花子さんは、身体中から濁点のつく音を出しながら、不気味で不規則な影を作り、走る。
しかしながら、桜は教室のドアに手をかけ、ドアを開けようとする。
「はっ…はっ…待って…。 行かないで…。」
桜が教室のドアを開け、教室に入ろうとする。
その瞬間、廊下に細く、それでいて長く高い音が鳴り響いた。
「? なんの音だ?」
桜は少しバックし、廊下を見た。
するとそこには、息を切らしながら土下座をしている花子さんがいた。
「私に…生き方を教えてください!
私に人との話し方を…教えて下さい!
人と食べるご飯の味を…味合わせて下さいっ!
あと…外の温かさを、教えて下さいっ!
私を! 捕まえていて下さい!!」
花子さんの声が廊下中に響き渡る。 勿論、聞こえるのは桜だけ。
「アトキョウトマラセテクダサイ。」
「え、ちょ…っとどうしたの急に。 ってか今なんか小声で言った? …まぁ、そんなこと言われ……。」
桜は花子さんの後ろに続く、二本の赤い線を見つけ、言葉がつっかえた。
その正体は血。 さっき廊下に響いた細く高い音は、スライディングしながら土下座をしたからだろう。
膝の皮は完全に剥け、土下座をしている花子さんの膝下には段々と血が溜まっていた。
「…分かったよ。 ひとまず屋上行こう。 そこで話も聞く。 消毒液と絆創膏は持ってる。」
「!! 本当に!」
花子さんはぐしゃぐしゃになった長い髪を、ブワッと舞い上がらせながら顔を上げた。
「排便を見せつけられる、可哀想なトイレの花子さん(達)ついに外に出る」を読んでくださり、ありがとうございます。
第三話は、花子さんのとんでもない話を聞きます。
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